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「樹に会った?」
「………おう…」
結局、眼鏡が俺の後に続いて、部屋に入って来るとすぐ会長と会ったと話した。
「会って、何か話した?」
「………いや、特に話しは…してない」
「………」
特に……話し…してねえよな?
眼鏡が一緒じゃないなら、日を改めるって言ってただけだし…
「そっか。…分かった」
ポンっと頭に手を置かれて少し撫でられた後、眼鏡はベッドに腰を掛けた
何か考え込んでる様に見えたけど、何故かその時は何を考えてんだ?って聞けなかった
「……つか…お前はどうなんだよ?」
「ん?」
「か、会長と……く…くち、移しがどうのって……」
とりあえず、俺だってお前に聞きたい事がある。
まずはそれからだ
「あー。口移しね」
「……」
あー。じゃねえよ……何平気な顔してんだよ
「貰い風邪って言っただろ?……樹の風邪貰ったんだよ」
「??」
眼鏡はそう言いながら、手招きをした
不思議に思いながらも眼鏡の方に近付くと、眼鏡は自分の膝をトントンって叩いて『座って』と言った
「ほら、向こう向いて」
「………」
眼鏡に言われるがまま、体を反対側に向け、眼鏡の膝の上にちょこんと座った
「…今日は大人しいのな」
「たまにはな」
恥ずかしい。何で俺がこんな恥ずかしい態勢しなくちゃいけないんだ。って思ってる。
でも、後ろから抱き締められると恥ずかしさなんてすぐ消えて無くなった
「…樹に薬飲ませる為にした……ごめん」
「…………」
コツンと、背中に眼鏡の額が当たった
「好きでしたんじゃねえから……ごめんな」
「…………」
そんな事分かってる……でも、やっぱりお前が俺じゃない誰かとそういう事したって考えたら
胸がズキズキする
「……別に………いい」
聞きたく無かったかもしれないけど、知らない方がきっと嫌だった
「もうお前以外とそんな事しねえから」
「…………ふん……」
こいつにとっても、会長は大事な人で
俺にとってお前はもっと大事な人
やっぱり……会長に薬飲ませる為にキスしたってのは
ちょっと……いや……結構辛い
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