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訪れたのは
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病室の中は、備え付けの小さなテレビと、俺が使ってるのを合わせてベッドが3つ。
他、壁にパイプ椅子が2つ立て掛けられているだけの殺風景な部屋。
暖房は効いてて暖かい。でも外の景色を窓越しに眺めると風がビュービューと吹いてて寒そうだ。
特にやる事もないし、誰かが病室の扉を開けるまでとりあえず目を閉じて寝る努力をする。
病室は退屈だ。
遊べねえし、向こうから来てくれないと話す相手も居ない。
日に日に筋肉が衰えてくのだけが分かる。
病院食はまぁ不味くはない。でも俺が作った方が断然美味い。
婆ちゃんが着替えの服持って来てくれて、着てた服は持ち帰られ婆ちゃんが洗濯してくれる。
自分で自分の事が出来ねえから、毎日ソワソワしてくるし、小夏達の事も気掛かりで仕方ない。
とにかく……体動かしたい
「会いてえ……」
今日、まだ忍は来てない。
いつもならこの時間には来てたのに
「くぁ〜……会いてえ〜」
ゴロンと寝返りを何度も繰り返し、病室の扉に何度も目をやる。
でも、夕方になっても忍は来なかった。
付き合い初めて、忍からメールが返って来る様になった。
向こうからメールして来てくれた時はベッドの上でクロールしたもんだ。
そのメールも、今日は一通も俺の携帯に届いてない。
「……やっぱ俺…何かしたのか?」
実は朝メールは送ったんだ。でも返事がない。
モヤモヤモヤモヤして、また何度も寝返りを打った。
「電話するか‼︎」
そして、じっとしてられなくなった俺は、電話を掛けようとベッドから勢いよく体を起こした
「失礼する」
「⁉︎」
発信ボタンを押そうとした瞬間、病室の扉がガラリと開いた
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