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無意識の内に
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「なんでそう思う?」
聞かなくていい事だけど、少し辛そうな顔を見せた新を見て、そう聞いてしまった。
「会長には…もう辛い思いしてほしくない…」
「………」
こいつは、男を好きになると良いことよりも辛い事の方が多いと分かっている。
その言葉を言わせてしまったのは、俺のせいでもある。
俺は初め暇潰し程度の感覚で新に近付いた。
恋愛対象がこいつになるなんてその時は1ミリも思ってなかった。
こいつだって、俺と出会わなければ今頃女と付き合ってたかもしれない。
こいつの全てを狂わせてしまったのは他でも無い。俺だ。
「まぁ、恋愛なんて誰としようが辛い思いすんじゃねえの?相手が女でもよ」
「そ…そうかもしれねえけど…」
「はい。この話は終わりな。」
「なっ‼︎お前が振った話しだろ‼︎勝手に終わらせんな‼︎」
「………」
また怒鳴られてしまった。
確かに振った話しを強制的に終わらせるなんて、俺は一体何をこいつから聞きたかったんだよ。
男と付き合うと辛いと言った新に、「それでもお前と付き合えて良かった。」なんて、自分が考えてる事と同じ言葉を言って欲しかっただけかもしれない。
それとも、遠回しに樹の事を今どう思っているのか、あいつと付き合う奴はどんな奴がいい?なんて質問をして、それを聞いた新の反応を確かめたかっただけかもしれない。
「じゃあ、樹がまた男を好きになったらどうする?」
上に跨ったまま、新の手首を握り締める。
俺が言った言葉にこいつはまた目をキョトンとさせた。
少しだけ心臓がドクドクと跳ね始める。
もしも樹がまた男を好きになったら、その時新はそいつに嫉妬したりするんだろうか。
「別に……会長がそれでいいなら…それでいい」
「そっか」
「つか、なんだよ今日のお前変だぞ」
「そうだな。今日の俺は変だな」
「は…?…っ‼︎」
誤魔化す様に、止めていた体の動きを再開させる。
少し強く突くと、新の中はきゅっと締まって俺に絡み付いて来る。
まだ何か言おうとしてる新の口を塞いで舌を強引に中へと入れる。
恥ずかしい音が口からも下からも聞こえて、さっきまで平気そうな顔をしてた新の目から涙が零れた。
「は、ひっ…ぁ……あ…」
「新……可愛いよ、お前」
また強く腰を打ち付けると、新は大きく体を仰け反り声を荒げた。
少し痛がってるけど、もちろん止めるなんて出来ない。必死にしがみ付いて来るこいつは本当に可愛くて可愛くて堪らない。
その後も何度か体位を変えて二人で行為に耽る。
「あ…ぁ……も、や…だ…」
「やだって言わないの」
後ろから新の耳にキスをしてそのまま奥まで一気に突くと、腫れ上がった新のものから勢いよく精液が放たれた。
ぶるっと震えた新を抱き締め、俺もまたこいつの中へと精を放つ。
お互いの体は熱くて、汗もかいた。
布団に倒れ込んだ新の上に俺が倒れ込む。
「重い」と呟いた新は少しだけウトウトし始めた。
「寝ていいよ。後処理しとくから。」
「……ぅ……せ…」
頬を撫でるとあっという間に夢の中へと落ちてしまった。
寝息が聞こえ始め、後処理をする前にもう一度新を強く抱き締めた。
樹の話し。本当は俺の中に余裕が生まれたからしてしまったのかもしれない。
勘に過ぎないけど、樹はもう新をそういう目で見てはいない。
あいつは気付いてないかもしれないけど、あいつは別の誰かへと意識が向き始めてる。
だから、放課後樹を見た時、あいつの反応を見てそれを確信した時、正直嬉しかった。
ラッキーとさえも思った。
それは決して樹の幸せを祈って思った事じゃない。
やっと新を独占出来ると思ったからだ。
酷い奴だよ俺は。樹が早く別の誰かを好きになってくれねえかなってずっと思ってたからな。
「あいつ、多分次も男を好きになるぜ」
次に樹と付き合う奴は女がいいと新は望んだ。
でも恐らくそれはもう無理だな。
一回男を好きになってしまったら、女なんて視界に入らなくなる。
男を好きになる事が当たり前と脳が覚え、その沼から抜け出せなくなる。
初めて好きになった奴が男で、忘れられない程そいつに思いを寄せていたなら尚更。
そして次も無意識の内に男を好きになるんだよ。
「さて、あいつはどうすんのかね」
それに気付けないと、新が言ったようにまたしんどい思いすんぞ。
樹
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