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初めてだった
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目が覚めると僕はソファの上に居た。
意識が途絶えて、一体どれくらい経ったのだろうか。
外はもう薄暗くて、時計を見ると下校時刻はとっくに過ぎてしまっている。
「………日野?」
まだぼぅっとする頭を押さえながら、生徒会室を見渡してみたが日野の姿はどこにも無かった。
視線を下へと落としてみると、制服がきちんと着らされている。
中に出された白濁は綺麗に掻き出されている様で、ズボンと……下着まではかされ、ベルトは机の上に置かれている。
「…いっ…」
机の上に置かれたベルトに手を伸ばそうとしたら、腰に激痛が走った。
ソファにパタリとまた体を倒してしまう。
お腹も、少し…痛い。
「…………っ…」
意識を飛ばす前の事を思い出してみると、今更だが酷く恥ずかしくなってきた。
好きにしていいと言ったのは僕だ。でも僕は自分が想像していた事を遥かに超える体験を日野としてしまった。
お腹も、腰も、頭も重くて痛い。
痛いのに、何故か最悪だとは思えなかった。
最悪だと思えない事が最悪だ……。
それと、日野が最後に何を話していたかが思い出せない。
言葉がぼやけていて、途切れ途切れにしか思い出せない。
結局僕はただ彼に抱かれただけで、情報を得る事は出来なかった。
「…なんで…」
すれば、全部が終わると思っていた。
「あぁもう……なんで…っ」
モヤモヤの原因が無くなって、明日から綺麗さっぱり気持ちを切り替えて彼と接していけると思っていた。
でもモヤモヤは無くなるどころか、酷くなった気がする。
おまけに心臓まで痛い。内側から熱が発せられ無理矢理脈を打たされてるみたいだ。
「……最悪…」
満足したのは彼だけだ。僕は何も得ていない。
それに終わった後相手が意識飛ばしたら普通置いて帰ったりしないでしょ…
何勝手に帰ってるのさ……
絶頂に達す間際、日野が僕を大事そうに抱き締めて来た時の温もりが体に残ってる。
耳に触れてみると、彼に舐められた事を思い出しゾクゾクする。
ソファに体を沈めて、天井を見上げると一つ、彼が言ってた言葉を思い出した。
「これ以上好きにはならない……ね。」
ぽつりと呟いてみると、日野が悲しそうに笑う顔が頭に浮かんだ。
「…安心しなよ……僕も好きにはならないから。」
顔を腕で覆い、そう呟く。
僕は彼が嫌いだ。彼といると調子が狂う。
いつもの僕じゃいられなくなる。今回みたいに他人に触れられる事を簡単に許してしまう。彼には弱い部分をつい見せてしまう。
冷静で居たい。どんな時も、僕は冷静で居たいのに…日野にそれが通じない。
「本当に…大嫌いだよ……君なんか…」
嫌いだ。嫌いだ。と心の中で何度も唱える。
痛む自身の体を少し抱き締めてみると、胸がきゅんとして息苦しさに襲われる。
全部を見られた。全部聞かれた。
恥ずかしい音も、恥ずかしい僕の声も全部…
「…っ……ほんと…最悪…」
でも……初めてだった。
あんなに、優しく抱き締められたのは。
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