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使命感
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眼鏡からのお誘い断っちまった。
でも、あいつあんま気にしてなかったし、別に一回くらい断っても大丈夫だよな?これは会長の為でもあるんだ。そうだよ。眼鏡だってきっと分かってくれる。
放課後、一応眼鏡のとこ行って「また明日な。」とは言ってきた。怒ってはいなかった。だから大丈夫だ。
眼鏡とバイバイした後、俺は生徒会室にやって来た。扉が少し開いてたから、中をこっそり覗き込んで見たら、部屋には会長しかいなかった。
椅子に座って、会長机の上に肘乗せてて、なんだか考え事をしてるような難しい顔をしてた。
ため息を何回も吐いて、ボールペンを持って置いてを繰り返してた。
「……会長…」
あんな顔した会長は初めてみるかもしれない。
まるで…そう……何かを愛しむような……
「って‼︎そうじゃない‼︎」
「えっ」
とんでもねえ妄想が始まる前に‼︎俺は確かめなくちゃならねえんだ‼︎
頭に浮かんだ妄想を掻き消して、勢い良く生徒会室の扉を開いた。
「たのもう‼︎」と大きく叫ぶと、会長はびっくりしてて、持ってたボールペンが床に落下した。
「あ、新?」
めっちゃ驚いてる。そりゃそうだよな。俺も驚いてる。
なに「たのもう‼︎」とか言っちゃってんの俺。道場破りかよ
「どうしたの?忘れ物?」
「あ、はい…じゃなくて…えっと…」
いつもの会長だ。落ち着いてて、にっこり笑顔のキラキラオーラを纏った会長だ。
扉をゆっくりと閉めて、会長の方へと近付く。
「会長…今日は勉強会ないんですか?」
「ん?」
そして、『ナチュラルに聞き出して行こう作戦』を実行する。
とりあえず変に長居しても怪しまれるだけだ。自然に、自然に話を巨人との事へ持って行こう。
「勉強会?ああ……今日は無いよ。」
「無いんですか?」
じゃあ、今日は巨人はここには来ないのか…
「勉強会がどうかしたのかな?」
「えっ…や、…その…」
まずい。何から聞けばいいんだ……てか俺は何を聞こうとしてるんだ……
巨人に何か言われたんですか?って……それさえズバっと聞ければ、きっと会長が最近変になっちまった理由も分かるはずだ。
けど、なんか聞けない…。
「?」
会長が首を傾げてこっちを見てる。急に黙っちまったから怪しまれてる。
なんだこれ…何やってんだ俺‼︎
「会長っ‼︎困ってる事あったら俺に言って下さいね‼︎」
「え…」
くっ‼︎聞けねえ‼︎‼︎
「あの…勉強とかなら俺、また手伝いますから…」
聞けない…から、俺がよからぬ事態を想定してそれを阻止しなくちゃならねえ。
色々経験して来たから分かるんだ。巨人…日野なんとかは…危険な存在なんだ。
「明日から、俺も勉強会に参加させて下さい。」
この人に近付けちゃいけない。
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