アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
特別とは
-
ソファの上、俺が下で巨人が上に覆い被さってる。両手首を押さえつけられ太ももの間に膝を入れられ、手も足も動かない。
一瞬で体の自由を奪われてしまった。押し退けようと体に力を入れると掴まれた手首をぐっと締め付けられる。
抵抗が全く出来ない事より、声が出ない方が驚きだ。見下ろされ、巨人の目を見ると背筋がゾクリとして体が硬直する。
こいつは、「早く教えてや。」と呟き顔を近づけて来た。またゾクリと背筋が凍ってぎゅっと目を閉じ顔を背けた。
声が出ないんじゃない。出せないんだ。
嫌な空気を纏った今のこいつは、普通の人とは思えないほど恐ろしい何かを感じた。
「さっきまでの威勢はどうしたが?俺の質問に答えるか、俺を蹴り飛ばさんとイタズラしちゃうで?」
「っ…調子乗るな…」
蹴り飛ばそうとしてんだよ。でもなんだよこの馬鹿力は…ピクリとも動かねえ……
「ほーら。はよう言うてや。」
「⁉︎」
鼻先にこいつの唇が触れた瞬間、体がびくりと跳ねる。俺を見て巨人は笑ってカプっと鼻先を甘噛みされて舌で舐められた。
顔をブンブンと振って払いのけようとしたら、両手を頭の上に上げらされ、片手で拘束された。
そして空いたもう片方の手が俺の顔を掴んで今度は頬をペロリと舐められる。
「う、ぁ」
ぞわぞわと鳥肌が立つ。やめろ‼︎って叫んで殴り飛ばしたいのに、威嚇の声が出せない。
そうこうしている間に舌が首筋へと下りてくる。
「っ……やめ…ろ…」
デジャブだ……デジャブ感があり過ぎて体が震えてくる。
「黙っとけば可愛いやん。姫って結構押しに弱いタイプ?」
「っ、ぁ…」
こいつ…鎖骨……舐め…っ……
「な?こういう事して気持ち良くなるのは特別な人間とだけ?」
「な……に、が」
ネクタイは外され、シャツは第二ボタンまで開けられてしまった。
どこか楽しそうにそう言葉を落とし、こいつは鎖骨を舌先でなぞって来る。凹みを何度も往復され腰が揺れる。
「ひっ……や、やめろ…っ…」
「やめてほしかったら教えてって言いゆうやんか。」
「っ‼︎」
だから……特別が何なのか俺にも良くわかんねえんだよ‼︎くそっ…なんで眼鏡が居ない時にいつもこうなんだよ‼︎
「あっ」
鎖骨を強く吸われ、ちゅるりと恥ずかしい音が聞こえた。「あは、かっわい〜。」なんて楽しそうに笑いながら言ったこいつを見てマジで怒りが込み上げてくる。
こんなんじゃ、俺がただ遊ばれてるみてえだ。
「ざけんな‼︎退け‼︎…っ退け‼︎」
ようやくまともに大声を出す事が出来て、全力を振り絞って足をバタつかせる。でも、正直こいつは眼鏡より背も高い。おまけに体格もいい。
そんな奴に敵うはずもなかった。
「暴れんといてって。別に怖がらせたいがやないき。」
「てめえ…ぶん殴ってやる…」
「ははっ、いいなぁその目ぇ。子犬ちゃんに睨まれても怖ないけどな。」
「っ…」
がはははは、と笑い始めたこいつを見るとイラつきで額に筋が入る。
「…らいだ」
「ん?」
むかつく。こいつ、なんかむちゃくちゃむかつく。なんでだ?こいつ誰かに似てる。似てるようでまるで違う。
「俺はな‼︎お前みたいに人を玩具扱いする奴が大嫌いなんだよ‼︎」
そうか…こいつ、眼鏡と似てる。
あいつと同じ何かを感じるが、あいつとは全然違うタイプの奴だ。
「会長にも…こんな事したのかよ」
「……」
人の反応を見て面白がりやがって。振り回される奴の気持ちもろくに考えもしねえで…
「退け…むかつく…くそが…大嫌いだ……お前みたいな奴…」
答えてやるよ。教えてやるよ。ただし、教えた後はてめえを思いっきりぶん殴ってやる…
「会長は俺にとって特別な人だ…」
「………」
「でも特別の中にもいっぱい種類があんだよ。会長は俺の中で唯一尊敬出来る人で、優しくてあったかい人なんだ。」
「……」
「俺は会長が大好きだ。けどその大好きは俺の中のある一線を越えない。だから会長の特別は種類が違うんだ。」
好きだけど、その好きじゃない。会長の特別は俺の中ではそういう事なんだ。
「俺はお前以上に、むかつくし大嫌いだと思う奴が居る。…意地悪で、すかし野郎で、人の事を犬だの何だの言ってた奴だ。」
「……」
「でも結局俺はそいつに惚れちまった。あんな最低な奴のどこがいいのか全然分かんねえ。けど、どんな酷い事をされてもあいつなら別にいいって思っちまう。少し離れただけで寂しいとか、会いてえとか…む、無意識に思ってたり…。」
…待て……何言ってんだ俺…
「こういう事して気持ち良くなるのは特別な人間とだけか。ってお前聞いたよな?」
「うん。聞いたで。」
「…特別の…その上をいく奴限定なんだよ。他の奴に触れられても何とも思わねえ…」
何言ってんだ俺‼︎‼︎
「い、一線を越えた特別がそれだ。」
なんでこんな小っ恥ずかしい事を言ってんだよ‼︎
「ぶふっ」
「なっ‼︎」
巨人めちゃくちゃ笑い堪えてんですけど⁉︎
「わ、笑ってんじゃねえよ‼︎てめえが教えろっつーから教えてやったんだろが‼︎」
「や、すまん。なんか…ぶふっ…」
口に手を当てて、くくくっと肩を揺らしこいつは笑いを堪えている。俺はどんどん顔が熱くなってオーバーヒートしちまいそうだった。
いやしてた。
つか、なんだこいつ‼︎舐めてんのか俺を‼︎
「いい加減に「いやぁ。特別の上をいく特別かぁ。」
「?」
いい加減にしやがれと叫んでやろうとしたら、巨人はニカリと笑ってそう言った。
「やって?随分愛されちゅうがやね。」
そして手をパッと離され、巨人は何故か生徒会室の扉の方へと声を掛けた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
389 / 617