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疑問ばかり
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「ふぁ〜。」
大きく背伸びをしてソファにもたれ掛かった。一人きりになった生徒会室はびっくりする程静かやった。
ナルと姫が出て行ってから、俺は1人でせっせと今日の分の課題を終わらせた。英語。ほんま苦手分野過ぎて泣きそうになる。
姫に出された問題が解けたのは自分でも驚きやったなぁ。多分俺はやれば出来る男や。
「ふふん❤︎姫の反応面白かったなぁ〜。」
いやぁ。今日は中々楽しい思いが出来たわ。
ナルが入って来た瞬間の姫の顔。めちゃめちゃ顔真っ赤で可愛かった。
まぁ、なんで今日こんな事になったのか。
姫はもう気付いちゅうと思うけんど、今日の事は全部ナルが仕組んだものや。
6限目が終わってすぐに、ナルが俺の教室に来た。向こうから俺に話し掛けてくる事なんか一度も無かったのに。
『お前、今日英語勉強すんだろ?』
教室に来るなり、そう聞かれた。
その問い掛けに俺は『そうやで。』って答えた。
ナルはどうやらいっちゃんから『今日は留守にするから、代わりに日野の勉強をみてやってほしい。』と頼まれとったらしい。
今日はナルも勉強教えてくれるがや。って喜んじょったら、ナルはいきなり変な事を言い始めた。
『俺がタダでお前の勉強みてやると思ってんの?』
『え……』
金取るんかい。と瞬時に心の中でツッコミを入れといた。
この時のナルの悪い顔ときたら…。今でもはっきり頭の中に浮かび上がるわ。
俺は絶賛ビンボー生活中やき、お金なんか払えんわ思うて、俺も対抗してナルにこう言うた。
『んじゃ別に教えて貰わんでかまんよ〜。姫に教えてもらうし?あと勉強終わったら姫と二人でラブラブしよるわ。』
ナルと姫が恋仲ってのは薄々気付いとったし、恋人が別の男と二人きりになるのなんて許せんやろう思うてそう言ったんや。
そしたらや。そう言えば絶対何かしらの反応を見せてくれると思ったのに、ナルはにやりと笑った。
『別にいいぜ?ラブラブしてろよ。』
鼻で笑いながらそう言われた。この時、俺の頭の中では、姫とナルが恋仲という予想がズレた瞬間でもあった。
ナルの顔は悪者そのものやった。付き合いゆうがやないが?と慌てて聞いてみたら、ナルは付き合っとるって言うた。
益々俺は意味が分からんなった。
『あいつ、最近やたら俺以外の奴に懐いてるから。少し調教してやらねえと駄目だろ?』
『調教って…』
悪魔に見えた。ツノが見えた。とにかくこの時のナルの顔は恐ろしかったぜよ。
もうムチで打たれとる姫の姿しか想像出来んくて、こんなサド男を姫はなんで好きなが?って疑問が頭の中を過る。
そして疑問を重ねる内に、面白そうやと思った。
タダじゃないなら、何を条件で勉強みてくれるんや?って聞いたらナルは姫に触れと言った。
『ほんまに俺が姫に触ってもえいがやね?』
一応念の為もう一度確認するとナルはにやりと笑った。
『いいぜ。ただし、鎖骨までな?』
『鎖骨?』
『鎖骨から下触ったら許さねえから。』
ナルは自分の鎖骨を触りながらそう言うた。
なんで鎖骨ながやろ。また一つ疑問が増えたけんど、まぁ別にいいかそんな事。くらいで終わらせた。
『明日から勉強みてやるよ。もう一度言うけど、鎖骨までな。』
『ん♪りょーかい。』
ナルの考えとる事は全然分からんかったけんど、実際放課後、姫と二人きりになって言われた事を実行したらナルが言うた事は理解出来た。
鎖骨な。舌先でなぞるだけで姫の腰はゆらゆらと揺れて顔の表情も気持ち良さそうに乱れ切っちょった。
可愛かった。可愛かったで。いっちゃんの方が可愛いけんど、姫は鎖骨が弱かったらしい。
ほんまいっちゃんの耳みたいやった❤︎
俺、相手が気持ちいい顔したらそこばっか攻めたくなるき、姫の首筋とかも結構舐めてしまった❤︎
んで………
………それや。それが原因で、俺はナルに怒られた。
ナルが生徒会室に入って来た時は、めっちゃ気分良さそうな満足染みた顔をしとったのに、ソファの上で仰向けになった姫を見ると目の色を変えて俺のとこに来た。
『触れ。って言ったんだよ。誰が舐めていいなんて言った?』
『え❤︎いやぁ〜、俺の中では触れ=舐めるやきさぁ〜』
胸倉掴まれてものごっつ睨まれた。
なんで舐めた事に気付いたのかは、恐らく姫の首筋に付けてしもうたキスマークが原因❤︎
いやちょっとからかったろ思うたくらいの遊び心やったがよ……。
お触りオッケイ許可もらったら普通舐めてまうやろ。
そっからナルは一気に不機嫌になって、んで結局そのまま姫を連れてどっか行ってしもうた。
「んふふ。調教って何するがかな?」
多分ナルは嫉妬しとったんかな?
姫と最近一緒に帰ってなかったみたいやし。
けんどごめんなぁ。キスマークはやり過ぎたわ。
「いっちゃんには付けんかったのに……」
はぁ。とため息を吐いた。
いっちゃんの顔を思い出すと、急に一人ぼっちの今の状況が寂しくなってくる。
どさくさに紛れて、俺は姫にある質問をした。
特別とは何か。
その答えを聞くと俺は笑ってしもうた。
失礼な事してしもうたな。別に可笑しくて笑ったがやない。
ただ、ちゃんとナルの性格を知った上で、特別を超える特別って自分の中で認識しとる姫がすごいなって思っただけ。
俺は正直、特別が何かよく分からん。
エッチは誰としても気持ちえいし、心は広い方やきある程度のどキツイ言葉には耐えれる。
けんど姫が言うた、寂しい、会いたいって無意識に思ってしまう事がその特別を超えた特別やと言うなら、俺が今、いっちゃんおらんくて寂しい。早く会いたい。って思っとるこの気持ちは、特別ながやろうか…。
また一つ疑問が増えた所で、俺は生徒会室を出た。
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