アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
初めてのラブホで泣かされる俺って…
-
「嫌だ‼︎やめろ‼︎俺は帰る‼︎」
「暴れんなよ。俺が無理矢理連れ込んでるみたいじゃねえかよ。」
無理矢理連れ込もうとしてんだろ‼︎
「嫌だっ…離せよ…っ」
全力で拒否してるのに、眼鏡はそんな俺にお構いなくラブホテルの中へと俺を引っ張る。
ホテルに入った瞬間からもう涙が溢れてきそうなくらいだった。ここは健全な男子高校生2人が来る場所じゃない。
いや眼鏡はもはや不健全だ‼︎変態だ‼︎
「やだ‼︎嫌だ‼︎」
「ちょっと黙って。」
ぶわっと鼻水を出しながら泣きじゃくってみても眼鏡は気にもしない。
エレベーターに乗せられ眼鏡は15階へと上がるボタンを押した。
愛を育む場所へと向かうはずのエレベーターが俺には地獄へと向かう死の箱舟に思えた。もちろんエレベーターの中でも全力で抵抗を続けた。
「なんでそんな嫌がってんだよ。」
「嫌に決まってんだろ‼︎なんでこんなとこなんだよ‼︎男同士で来るとこじゃねえだろ‼︎」
「……うるさい。」
「んンっ⁉︎」
決して広くないエレベーターの中で、唇を塞がれる。エレベーターは途中一度も止まる事なく階を上っていく。体がふわっとする中舌が口の中に入ってくる。息をしようと唇を離そうとしてみるが、眼鏡はそれを許してくれず、何度も俺の舌を捉えて吸い上げられた。
こんな激しいキスも久しぶりだったからキスだけで足の力が抜けて、膝がカクン、と崩れ落ちそうになった時、眼鏡が俺を抱き上げた。丁度その時エレベーターが止まり、15階。このラブホテルの最上階に着いてしまった。
「嫌だ……降ろせよ…帰りたぃ…」
お姫様抱っこをされたまま、眼鏡の首元に顔を埋めてそう呟いた。もう抵抗してもこいつは聞いてくれねぇと思ったけど、それでも小声で何度も嫌だと訴えた。
「せっかくお前の為に用意した場所なんだから。嫌々言わずに喜べよ。」
喜べるか‼︎
「っ…んでラブホなんだよ…俺の家かお前の家でいいじゃねえかよ…」
それならまだ逃げる手はあったのに。
つかマジで恥ずかしいから…誰かに見られたらどうすんだよ…廊下とか赤い絨毯敷かれてんぞ…すげえいい匂いすんだけど…‼︎
「家じゃ出来ねえ事もあんだろ。」
「は?」
もう何も見たくねえ、と目を閉じた時、眼鏡はピタリと足を止めた。どうやら、部屋に辿り着いてしまったらしい。
「俺さ、昨日街歩いてた時ある女に声掛けられたんだよ。」
「……?」
「そいつ、ここのラブホ経営してるオーナーでさ。その自慢のラブホを紹介したいって言われたんだけどさ。こんないいとこお前とじゃなきゃ来てもつまらねえだろ?」
「……それって……その女とここに来たのかよ…」
「下見にな。」
「……」
なんだよそれ……下見って……下見だけでも俺以外の奴とこんなとこに来たのかよ…
「…お前……最低だ…」
「どうとでも言えよ。それより自分の立場分かってんの?」
「……っ俺は何もしてねえじゃねえかよ…」
「自覚が無いなら尚更許せないな。」
お互いピリピリし始めた時、ガチャリと扉が開かれて死の聖域に足を踏み入れる。
見たくもなかった初ラブホの部屋ん中。
壁紙は白で統一され、家具やでっかいベッドのシーツは真っ赤だった。部屋の中はいい匂いが充満してて、少し吸い込んだだけでクラクラしそうになる。
そして部屋に入って左側の壁は、開放感溢れるガラス張り。外の景色が丸見えだった。
「うわっ」
部屋の綺麗さに見惚れてしまっていると、ぽいっとベッドに放り投げられた。
「お、おいっ…やっぱ帰りた「もう遅い。」
眼鏡がベッドに膝を掛けると、ギッ、とベッドが軋む鈍い音がした。ネクタイを緩めながら、ベッドヘッドの方へと追い込まれる。
「なぁ。今日はどんな風に泣かされたい?」
「…っ…」
「こんないい部屋で俺に抱かれるんだからさ。いい加減諦めて『泣かせて下さい。』って言ってみろよ。」
ニヤリと笑いながら、頬を指先でなぞられる。
最後まで抵抗しようと目を閉じていたら、腕を引かれ後ろに押し倒された。
「なっ…」
そしてこの時、なんで今日こいつが俺をここに連れて来たのかようやく理解出来た。
「お前…っ……これ…」
天井を見上げると、そこには眼鏡の背中と、顔がありえねえほど真っ赤に染まった自分の顔が映し出されていた。
「どう?気に入った?オプション付きなんだよ。今日はいつもどんな風に俺に泣かされて抱かれてるか。お前自身ちゃんと見てられるな?」
「てめえっ‼︎ふざけんな‼︎」
天井には、大きな鏡が取り付けられていた。
こんなとこで自分が抱かれるところを自分で見てろだなんて死んでもごめんだ…
「……くそ眼鏡が…っ」
どうやら、こいつはどこまでも俺を泣かせたいらしい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
393 / 617