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初心に戻る。
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「なんだよその話‼︎てめえ下見しただけだって言ったじゃねえかよ‼︎」
新の怒鳴り声が部屋に響いた。
愛撫を繰り返す中で、本当に何もしてねえんだろうな?って何度も聞いて来たからそれに答えてやったら、怒鳴られた。
「最低だ…お前まじでありえねえ…」
「妬いてんの?」
「誰が妬くかっ…くそ腹立つ…」
ま、怒鳴られるのは覚悟の上だったし、怒ったこいつの顔も結構好きなんだよな。
「触るな…退けよ……あっち行け…」
昨日あった事を全部話したら、新の機嫌は益々悪くなった。足で俺の腹を蹴ろうとしてるけど、もちろん俺の方が力あるし。すぐ押さえつけて陰る新の顔を掴んで上を向かせた。
「…っ…触るな…」
威嚇の目が向けられると、つい口元を緩ませてしまう。機嫌が悪くなる方が尚更都合がいい。
「何笑ってんだよ…」
「いや…嬉しいなぁと思って。」
「は?」
正直、俺も最近物足りなかったんだよな。
毎日顔を見合わせる度に、お前は表情穏やかになって、俺といる時に別の奴の事を考える余裕も生まれたみたいだし。
「放課後の事。あの馬鹿に頼んでお前を襲えって言っといたんだよ。」
「な…」
そう。その顔。なんでそんな事を?って驚愕し俺を警戒する目。
「俺とお前にしちゃ、最近平和過ぎる毎日だなぁって思ってたんだよ。」
下を向いた新の顔をもう一度上へと向かせる。
頬を掴んだ手に力を入れると、新の瞳がゆらりと揺れた。
「んで…っ…そんな事…」
「口実と理由。こうやってお前を虐める為の。」
「…なんだよそれ…っ…そんな事の為にお前は俺にあんな思いさせたのかよ…」
新の声が震えた。
ズっ、と鼻水を啜る音が微かに聞こえてくると、また口元を緩ませてしまう。
「ちゃんと助けに入ってやっただろ?俺が本気で襲わせる様な事するわけねえだろ。」
「…っ触るな‼︎」
顔を近づけると、新は顔を横に振り、また足で俺を蹴り飛ばそうとして来た。
目に涙が溜まってて、零れ落ちるのを必死に堪えてる。
「くそ眼鏡が…っ…くそ、眼鏡が…」
「……新」
「触んな‼︎」
「っ…」
今日一番いい蹴りが見事腹に直撃する。
少し咳き込んでしまった俺を見て、新は謝ろうとしてたけど、すぐ下を向いてまた「触るな」と言った。
「…はは」
「?」
駄目だ。抑えが効くとこでちゃんと優しくしてやろうと思ってけど……
久しぶりのこの感覚がすげえ嬉しくて、楽しくて……笑えてくる。
「いい加減俺の性格くらい分かれよ。」
触るなと言われたら、触りたくなる。
やめてと言われたら、続けたくなる。
「俺と付き合えんの。お前くらいだろうな。」
威嚇と抵抗、拒絶の目を向けられても、俺はそれが一番いいと思ってしまう。
お前は心でどんなにそう思っても、結局体は俺を求めてゆらゆらと揺れてる。
俺を睨むその目の奥では、結局俺の事が好きで仕方なくて、本当は触ってほしいって無意識の内にお前の目がそう訴えてる。
「…あっち行ってほしいんだよな?」
「え…」
お前のその本心を俺はよく分かってるよ。
だからその目で、本当は優しくしてほしい。触ってほしいと訴えられたら
「じゃ。一人で気持ち良くなってろよ。」
もっと酷くして、焦らしてやりたくなる。
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