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怒った顔もまたいい。
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「………」
「…新」
「…………」
「あーらーた」
「………」
「……」
名前を呼んでも無反応。俺に背を向けてシーツを頭まですっぽりと被っている。ベッドはもうグショグショで早くお互いシャワーを浴びたいはずだ。けど新は一向に起き上がろうとしない。事後処理がまだ済んで無いけど、とりあえず新が風呂に行きたいと言い出すまでもう少し待ってみる。
終わった後、ローターのスイッチを切り新の中からズルリと抜き取ると、俺が出した物も外へと掻き出された。ヒクヒクと開閉する入り口を見るとムラっとした。
まぁ。今日はいじめ過ぎたかなと思い、優しく新を抱き締め頭を撫でてやった。
そしたらふいっと顔を背けられ、この状態だ。
「怒ってる?」
「……当たり前だろ…」
後ろから手を回して新の体を引き寄せる。
髪にキスをしながらそう聞くと新は拗ねた声で答えてくれた。
拗ねてる。可愛い……
「眼鏡…風呂行きたい…」
「ん。もうちょっと待って。」
案外、風呂行きたいって言われるのが早かったな。俺の方がまだこのままでいたいと思ってる。
新のにおいがシャワーの熱で消される前にもう少しだけこのまま…。
「なぁ新。俺と居る時は他の奴の事考えないで。」
「………」
「干渉とか束縛とかさ。そういうの嫌いだし、したくもないって思うけど、お前が相手だとしてしまうんだよ。」
「…………」
「放課後。これまで通りあいつの勉強はみてやって。でも、帰りはちゃんと俺と帰って。今日みたいな事、俺が仕組まなくても起きるかもしれないから。そしたらお前を助けたくても助けてやれない。」
「……」
放課後での事は、虐める為の口実と理由とか言ったけど、本当はもっと危機感を持っていてほしいという警告をする為にした事だ。
在ろう事か、新の周りは新より力の強い奴が揃ってる。樹なんかヒョロヒョロのくせに新を押し倒して犯すくらいの力はあるんだ。
俺が居ない時、またそんな事があったらと考えると恐ろしくなる。
「樹の事、気にかけてるみたいだけどあいつは大丈夫だよ。」
「んでそんな事お前が分かんだよ。」
「幼馴染の勘?」
「……なんだそれ…意味分かんねえ。」
ようやく新が体をこちらに向けた。スリスリと胸に額を擦り寄せられる。
新の首筋に付けられた日野のキスマークはちゃんと俺が上乗せして消してやった。今回、これが誤算だったな。こいつが俺のだって気付いてたくせに、まさかキスマークを付けるとはな。
「…眼鏡……眠い…」
「風呂入るんだろ?」
ウトウトとし始めた新の頭を持ち上げてその下に右腕を通した。
新はまだ顔が真っ赤で、沢山泣いたから目も赤い。
……泣かせたのは俺だけど。
「明日から俺もあいつの勉強みるから。」
「…ん。」
「起こしてやるからちょっとの間寝てな。」
「うん…。」
うん。だとさ。くそ…可愛いな…
向かい合わせに寝転んで、腕枕をしたまま新を抱き締める。細い腕が俺の背中に回って、そして新は完全に目を閉じた。
眠った新の額にキスを落とすと、ピクリと小さな体が震えた。でも起きてはいないようだ。しっかり目を閉じて眠ってる。
「………」
今日は少し無理をさせてしまったから、起きたらとびきり優しくしてやろう。
なんて思いながらも、さて今度は何をして泣かせてやろうかと頭の隅で考えてる自分がいる。
俺が新なら、こんな男が恋人なんて死んでもごめんだ。だから、俺と付き合えるのはきっとお前だけだと思ったんだ。
お前もそう思ってくれてたら嬉しいけど。
「写メるか。」
気持ち良さそうに眠る新の寝顔が可愛くて、枕元に置いてあった携帯を取り、こそりと寝顔を画面に刻む。
その後も何枚か写真を撮ったが、途中で俺も寝落ちてしまい、最悪な事に先に起きたのは新だった。
手に持ったまま眠ってしまったから、新は俺の携帯をきっと不思議そうに覗き込んだ事だろう。
そして携帯に映る自分の寝顔を見て、新は当然の如く怒った。
ブチっと額の筋が切れる音が聞こえ、俺は目を覚ました。
もちろんこっぴどく怒鳴られたぞ。
正直この寝起きの新とのやり取りは毎回俺が新の寝顔を写メって怒られる。だ。
怒った顔も可愛いから、写メ撮るのも止められないんだけどな。
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