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友人に相談
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今日は金曜日。この日学校に行けば明日から2日間休みにはいる。
朝の勉強会を終え、午前の授業を終え、そして昼休み。
食堂で日野に捕まらないよう早めに食事を終わらせ、僕は今生徒会室に居る。
「で。話しって何?」
訂正しよう。僕と成海が生徒会室に居る。
「お前が俺を呼び出すとか珍しいな。」
ソファに腰を掛け大きな態度を取る成海は、僕に対して面倒くさそうな顔をしてみせたが、何の話しだよ?と、中々話しを切り出す事が出来ず口を噤む僕を見て笑っている。
「相談。」
「はあ?」
「相談に乗って欲しい。」
ポソリとそう告げると、成海は目をパチクリさせたが、その後腹を抱えて笑い始めた。
「っ、お前が俺に相談?」
「友人に相談事を頼むのってそんなにおかしな事?」
「いや…別に…ふふっ」
珍しいなぁ。雪でも降るんじゃねえ?傘持って来れば良かった。なんて僕を小馬鹿にしながら笑う成海を見ると流石にムカッとする。
「やっぱりいい。君に相談しようとした僕が馬鹿だった。」
「んな拗ねるなよ。」
「拗ねてない。」
機嫌を取ろうとしてくるが、成海はやはりどこか面白半分な態度を見せる。本当は一番成海には相談したくない話しだが、正直僕は彼以外に相談出来る相手が居ない。
友人が成海しかいない訳ではない。
ただ、僕の周りを取り囲む友人は、誰もが僕を格上の人間だと捉え、僕からの問い掛けにはほぼYESしか答えてくれない。
僕の考えを肯定されるばかりで、何のアドバイスも意見もくれない。
「んで。相談したい事って何?」
「………」
唯一、成海だけは僕にきちんとした反論と意見をくれる。
「大したことじゃ無いんだけど…」
「は?大した事じゃねえのに俺を呼び出したのかよ?」
まぁ、彼は一言二言要らない言葉が多い。
おまけに隙あらば何かしらで人の弱味を握ろうと探りを入れてくる。危険人物として僕の中では捉えている。
「訂正するよ。とても重大な事だ。」
だけど、成海は話して信用出来る程信頼はしている。
「日野の事なんだけど。」
「あー。あの馬鹿がなんかやらかしたのか?」
違う。と即答で返し、ゆっくりと口を開く。
「好きなんだ。彼の事が。」
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