アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
酔ってますよ。
-
「桐島ぁ‼︎これはどういう事や‼︎」
『いきなりデカイ声出すなや。鼓膜破れるわ。』
「駅に行けってこういう事やったがか⁉︎てかまさか酒飲ませたのお前か⁉︎」
『そうや。』
「…っ‼︎」
そうやじゃないやろが‼︎
『まぁしっかり面倒見ちゃり。俺はもう寝る。』
「待てや桐島っ【プツッ…】
「…………」
……切りおった…あいつ…今20時やぞ?
寝るには早いやろが…
「ってそんな事どうでもえい‼︎こらいっちゃん‼︎」
桐島の阿呆との電話が終わって(強制的に)、俺の腰にしがみ付いて来るいっちゃんの肩を掴む。
とりあえず、駅は人目が多い。
いっちゃんはべろんべろんで、電車に乗れる状態やなかったき、タクシー使っていっちゃんの家まで連れて来たとこまではえい。
「水持って来ちゃるきちと離れてや。」
「…ぅ…」
ベッドまで運んで来たけど、寝かせようとした瞬間しがみ付いて来られてかれこれ30分もこの状態や。
いっちゃんのご両親は留守やったし、鍵はいっちゃんの鞄から拝借した。
あれ程いっちゃんの後ろをテクテクと付いて歩いて来よった白猫のリッちゃんは、いつもと違って酒くさいいっちゃんにはまるで寄り付いて来んかった。
「日野…あつい……」
「ん。やきほら、くっついとったら余計熱いやろ?」
「…う…」
なんでこんな事になったかは、帰ったら桐島に聞く。
てか、あいつが酒飲ましたって言うなら、まさかやけど桐島と返杯したとか?
俺の地元じゃ普通やけんど、桐島の酒の強さは異常や。
しかも見るからにいっちゃんは真面目優等生やぞ?なんで酒なんか飲ませた?
「ひの…」
「はいはい。ここにおるよ。」
俺が呑気にトイレットペーパーなんかを選びゆう間に、色々あり過ぎて頭ついていかん。
そもそも、なんでいっちゃんは俺んちに行ったが?
「いっちゃん、なんで俺の家に行ったが?」
腰にべったりと抱きついとるいっちゃんの背中をポンポン、と軽く叩きながらそう尋ねてみる。
「……交渉…しに…」
そしたら、か細い声でそう答えた。
「交渉?なんの?」
「日野を…僕にください…って…」
「…………」
背後で鳩が飛んだ気がした。
「へ、へぇ〜。俺をなぁ?」
もうっ‼︎この酔っ払いが〜‼︎
「さっきの台詞録音して明日の朝いっちゃんに聞かしちゃりたいわ。」
あははは、と笑っていっちゃんの背中を叩く。
いやぁ。不覚にもキュンとしたで。
酔ってなくてシラフの状態で言われたら惚れとったでいっちゃん‼︎
「じゃあ俺も言いに行かんとなあ?いっちゃんのご両親に「いっちゃんを俺にください。」って。」
酔うちゅういっちゃん可愛いなぁ〜。なんて思いながらそう言うてみた。
ぎゅ、と俺の腰に手を回したいっちゃんの腕に触ってみると、触る度に思うけどほんまほっそい腕やった。
二の腕へ手を滑らせて、熱く火照るいっちゃんの頬に手を添えてみると、いっちゃんはウルウルとした瞳で俺を見上げてきた。
「…言ってよ……」
「ん?」
「……僕をくださいって……言ってよ…」
「…………んー…」
困った。完全に酔っ払いや。
「そうやなぁ。けんどこんな俺はいっちゃんに相応しくないって言われるのがオチやなぁ。」
「てか酔うてまっせ?旦那。」と笑って言いながら、指先でいっちゃんの鼻をツンと突いた。
とにかく早く水飲ませて寝かせんと、今は酒のせいで思考が緩くなっとるけど、これ以上なんかあったら(俺の理性の問題)あとでいっちゃんに怒られそうやしなぁ。
「酔ってない。」
「それ酔うちゅう人が必ず言うセリフやで。」
「………酔って、ない。」
ぷく、と頬を膨らませてまた俺の腰にぎゅ、としがみ付いて来た。
可愛い。激しく可愛い。
出来れば動画に収めたいところてんだが、いやところてんちゃう。
収めたいところだがだが。
「ほら。もう横になり?」
酔いが覚めた時のいっちゃんの反応が怖い‼︎
「な?寝付くまで添い寝しちゃろか?」
「…………」
頭を撫でると、ピクリといっちゃんの体が震えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
436 / 617