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秋人の願望
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ついに、ついにこの日が来てしまった。
「あ、秋人君…あの……」
「んお?」
「……やっぱりこれ、ぼ、僕には大き過ぎるよ…」
自分の部屋の前で腕を組み、忍からの合図を待っていた。
部屋の中から聞こえて来たのは弱々しい忍の声だった。
「忍はちっちゃいもんなぁ〜。」
「……秋人君が大き過ぎるんだよ…」
ムッとした忍の声が聞こえる。
早くこの部屋の扉を開けたくてしょうがない。
「いいなら言ってな?入るから。」
「う、ん……」
そう一言添えて、俺は扉に背をついた。
さて、ついにこの日がやって来たというのは、俺の願望が叶う日がやって来たということだ。
さっきは台所で少しだけ素っ気ないというか、冷たい?態度をとってしまった。
忍には悪かったが、あれは俺の演技なのだ。
積極的な忍を見てみたくて、少しだけ焦らす様な意地悪をしてしまった。
すまない忍。
だが俺はどうしても忍にしてほしい事があるんだ。
「秋人君、いいよ…」
「‼︎」
小声で囁いた「いいよ」の一言。
それを聞いただけで目をカッと見開き、俺は扉と向き合う。
「じゃ、入るぞ…」
ドアノブに手を掛け、ゆっくりと扉を開く。
「……っ」
ゴクン、と唾を飲むと、心臓が速く脈を打ち始めた。
「あ………」
「……………」
そして、部屋の中で佇む忍を見ると、俺はフリーズしてしまった。
「し、のぶ…」
「〜〜ッ」
あれ、俺の部屋ってこんなに輝いてたかな?
こんなにピンクピンクしてたかな?
「ぼ、僕にしてほしい事……ほんとにこれで良かったの?」
「バッチグーです。(鼻血)」
グッ、と親指を立て返事をすると、忍は顔を真っ赤にして袖で口元を覆った。
…………忍は、俺が何をほしがってるか、何を忍にしてほしいか教えてくれと言った。
そして、俺がしてほしい事を教えると、忍は初めは恥ずかしがってたけど、やってくれると言ってくれた。
「どうしよ……か、可愛い…つか、萌える…」
「燃える?」
「あ、や……こっちの話し…」
そう。俺が忍に頼んだ事、俺の願望。
それは
「ぼ、僕…学ラン着るのって中学の時以来だよ…」
忍に俺の学ランを着てもらう事っ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
「制服学ランで良かったっ‼︎」
「??」
ガッツポーズを決めて、袖に裾、もうサイズ感全く合ってない学ランを着て首を傾げる忍を見る。
彼シャツとか流行ってるみたいだけど、俺は彼シャツなんかで満足する男ではない。
そう、名前を付けるなら、『彼ラン』‼︎
響きも良し。見れば思わずランランしたくなる程嬉しい気持ちと胸の高揚が増す。
絶対流行るぞ彼ラン‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
いや流行らないでくれ‼︎これは俺と忍だけの流行イベントだ‼︎‼︎
「秋人君……」
「ん?」
悶えていると、忍が俺の服をクイっと引っ張ってきた。
視線を下へと落とすと、すっぽりと指先まで隠れた袖を口に当て、キョロキョロと目を泳がせながら、やがて忍は視線を上に上げた。
この格好、このシチュエーションでの上目遣いはヤバい。
「この学ラン…秋人君の匂いする…」
「え」
「いい匂い……」
⁉︎‼︎‼︎⁉︎⁉︎‼︎‼︎‼︎ギャフンっ‼︎‼︎‼︎
「っ‼︎」
「あ、秋人君っ⁉︎」
駄目だ……予想以上に忍が可愛すぎるっ……
「だ、大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫…」
全然大丈夫じゃない……俺とした事が…自分で自分を苦しめる事をしてしまった……
「秋人君?」
「………っ…」
馬鹿か俺は……こんな、こんな事を考えてしまうなんて
「忍…」
「え、わっ‼︎」
心配そうに顔を覗き込まれ、思わず忍の手を掴みベッドに押し倒してしまった。
「忍……だ、抱いてもいい?」
「ふえっ⁉︎」
こんな…変態みたいな事考えてしまった俺はクソ野郎だ。
「まだ心の準備出来てない?」
「え、あ、え…っ」
俺の学ランを着た忍を抱きたいなんてっ‼︎
とんだ変態クソ野郎だっ‼︎
「ごめん…その……か、可愛すぎて…」
「あき、ひとくん…」
「我慢…出来そうにない、かも……」
ああ……神様、どうか俺を止めて下さい。
「あき…ンッ⁉︎」
じゃないと
「っは、ぁ…ま、待ってっ‼︎秋人君っ‼︎」
「ごめん…待てない…」
忍を、泣かせてしまう。
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