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ある意味ホラー
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「はぁっ、はっ、…はぁっ…」
おおおっ、という歓声が上がる中、全力疾走でグラウンドを駆け抜けた。この悪夢の様な災難から脱するには、いち早くリレーを終わらせるしか無いと思った。
「っ、くそっ‼︎」
だが、着替えが終了したのが一番遅かった俺は、どんなに早く走っても先に走り出した奴には追いつけなくて、結局このリレーで俺達青組は最下位だった。
「書記君‼︎なんで逃げるんですか‼︎」
そして今現在。
「部長さんこそいい加減にして下さい‼︎」
俺はセーラー服のまま、部長さんに追いかけ回されている。
「あーもーっちくしょうっ‼︎」
リレーが終わったらすぐ着替えるハズだったのに、退場するとカメラを構えた部長さんがどうか写真を撮らせて下さいと言ってきたもんだから、俺は絶対嫌だと完全拒否し、それから全力で逃げている。
俺達のリレーが終わると、今度は三年のリレーが始まる。
それが終われば昼休みに入る。
休み時間となれば、応援席に居た奴らも飯を食べる為に席を立つだろう。
そうなったら校舎に人が戻って来る。
「はぁ、はぁっ…っ‼︎」
その前に、なんとか部長さんから逃げ切って、着替えを済ませなくちゃいけない。
今行われている午前の部最後のリレーには眼鏡が出てる。つまり、眼鏡は今グラウンドに居るから会わずに済む‼︎
「書記くーん?」
「っ‼︎」
正面玄関までやって来た。
背後から部長さんの声が聞こえてすかさず物陰に隠れてみたけど、どう頑張っても隠れ切る事は出来ない。
「……っ…」
このまま部長さんが正面玄関の中まで入ってきたら見つかる。
「……………」
「書記君〜‼︎」
こ、こんなに女に対して恐怖したのは初めてかもしれない。
足音が近付いて来る度に心臓の音が跳ね上がる。
声を殺すのにやっとで、どうか見つかりませんようにと願う事しか出来ない。
これはある意味ホラーだ。
「しょーきーくーーーーん」
「っ‼︎」
「一枚だけ写真撮らせて下さいよ〜❤︎」
やがて、部長さんの声がすぐそこで聞こえた時だった。
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