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満更でも無い
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「なんで嫌なら断らなかったの?」
「断ろうとしたけど……」
「けど何?周りからの押しに負けて引き受けてしまった?」
「……ゔ…」
「俺が来なかったらさっきの奴に見られてたとこだぞ。」
「べ、別に男同士だからいいじゃねえか……」
「良くないだろ。」
「………」
目の前で仁王立ちをした眼鏡がズバズバとキツい事を言い放って来る。ちなみに俺は正座をさせられ、眼鏡が入って来てからかれこれ10分という微妙に長い時間、お説教を受けている。
「てか……てめえ何で俺がここに居るって分かったんだよ…」
「……樹からメールが来たんだよ。」
「会長から?」
「ああ。」と眼鏡は素っ気ない声で返してきた。
なんだ、会長が眼鏡にメールしたのか。何か用事でも出来たから、だから俺のとこには来れなくなったのかな?
「早く行ってやらないと……」
「え…?……なに?」
眼鏡が急にしゃがんで、顔をスレスレにまで近付けて来た。
目を細め、俺の全身を舐めるように見て来る眼鏡に対し、俺は少し後ずさってしまう。
「“早く行ってやらないと、僕が食べちゃうよ”」
「は⁉︎」
その瞬間、眼鏡がスカートをピラリとめくった。
「って……樹からメール来たから。」
「…………」
語尾を濁らせながら眼鏡は呟いた。
グイグイとスカートをめくられそうになり、俺はそれを両手で阻止している。
そして、俺は今冷や汗が止まらない。
「そういや樹がここまで運んだんだよな?」
「……え…う、はい……」
「で……どこ触られたの?」
「別に…触られたとか……」
「どこ?」
「…………」
スカートを相変わらず引っ張って来る眼鏡の声はドスが効いてる。こいつが嫉妬深いってのは分かってたけど、今回はなんか……まじでやばい。
「す、スカートめくるなよっ‼︎」
「スカートなんてめくる為にあるモンだろ。」
どんな理屈だよ‼︎
とにかく、早くこいつをどうにかしないと……
「い、一緒に更衣室まで着いて来てもらっただけだ……」
とりあえずこいつの怒りを何とか沈めねえと…っ
「一緒に?」
目を背ける俺の顔を眼鏡が掴む。グイ、と真正面に首を捻られまた眼鏡と目が合う。
眉を顰めて、眼鏡が小さく口を開くと、赤い舌が俺の頬へと伸びて来た。
「ゔっ‼︎……っ……」
チュル、という恥ずかしい音が響く。
眼鏡は頬を舐めて来て、スカートを掴んでた手は太ももに置かれてて、肌をスリスリと摩られる。
「……本当に一緒に来ただけ?」
「そ、そうだよ……っ…‼︎」
「……へぇ…」
ニタリと眼鏡が笑みを零したのを、俺は見逃さない。肌に落とされた眼鏡の舌は、どんどん下へと降りていく。その合間に、眼鏡が「エロい格好……」なんて言って耳元で囁いて来るから、恥ずかしくて足をぎゅっと閉じてしまう。
「まぁ、何かされてたら酷くしてやろうと思ってたけど。」
「へ……」
「何もされてないならいいか。」
「っ……」
ヒィィィイイイ!!
お姫様抱っこしてもらったなんて死んでも言えねえ‼︎‼︎
「新……」
「ぅっ‼︎……」
壁に背が付き、眼鏡の大きな体に俺の体が包まれる。
眼鏡の声は元に戻ってて、口調も機嫌いい時みたいになってるから……とりあえずもう怒ってはいないのかな?
「俺さ……次の種目の準備してたから、お前の格好ちゃんと見てねえんだよ。」
「ん、あっ……やめ、お前…こんなとこで……」
服に手が入って来る。蹴り飛ばしたくても、スカートだからなんか恥ずかしくてそんな事出来ない。
「眼鏡っ……今学校だぞ‼︎……」
「うん。」
「た、体育祭だぞ‼︎」
「知ってるよ。」
会長‼︎なんで来てくれなかったんですか‼︎
こいつが来たらこうなる事くらい分かってたでしょう‼︎‼︎‼︎
「あっ…」
心の中で会長に対して文句を言ってみたけど、ニコニコと微笑んで、俺に対し「ファイト」って言ってる会長の顔しか思い浮かばない。
なんて最悪な体育祭だ。結局俺はこうなんのかよって自分で自分が惨めになる。
「見せてよ。他の奴等は見たのに俺だけ見てないとか不公平。」
「ぃ、今……十分見てんだろが……」
だけど…………
「当たり前だろ。ここにはお前と俺しか居ないんだから。」
……なんて、眼鏡が嬉しそうに笑うから
「て、手加減はしろよ……」
俺も、満更でも無いと言うのが本心かもしれない。
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