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清掃活動
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お昼休み、あらかじめ生徒会メンバーに招集をかけてはいたが、集合時間の15分遅れで成海と新がようやく生徒会室にやって来た。
二人は何かを言い合いながら生徒会室に入って来た。
そして新は顔を真っ赤にして、成海は何が嬉しいのかずっとニヤニヤした顔で新の事をからかっていた。
「二人とも、少し静かにしてくれる?」
そう注意をすると、新はギクリと肩を震わせ、成海は知らん顔。
大崎がその隣でキョロキョロと二人の様子を伺っている。
僕は思わずため息をついてしまった。
「いい?先週も一応言ったと思うけど、今日から約3週間ほど、それぞれ僕が指定した一年生と接触してほしい」
詳細が書かれた資料を三人に渡す。
生徒会役員一人につき、一年生一人。
成績上位者の中から選び抜いた人材だ。
「成海、よそ見しないでちゃんと資料に目を通して」
「うるさいな」
素っ気ない返事をした成海は、ふいっとそっぽを向いた。
その時、成海の首元に目がいく。
襟の隙間から覗いている赤い噛み跡の様なもの。
成海は僕がそれを見たという事に気付き、咄嗟に首を掻くフリをして手でその跡を隠した。
「成海、後で説教ね」
「はあ?なんでだよ」
「いいから」
本当に。新はともかく、まさかお前までそんなものを付けて学校に来るなんて。
というより、赤い跡はキスマークじゃない。
いくらなんでもあの成海がそれを許すなんて。
「新と成海には生活指導が必要かな?」
「は?」
「へ?」
なんて、二人とも更に仲が良くなってるみたいで良かった。
「まぁ、そんな事はさて置き。話しを戻そう」
お喋りが過ぎてしまったようだ。
本題に戻り、これからについてを三人に詳しく説明した。
僕が生徒会長としてその役割を果たせるのはあと少しの期間だけ。
今回の仕事が終了すれば、会長の席は降りるつもりだ。
新か大崎、どちらが会長になっても僕はいいと思っている。
それは二人を信頼しているからだ。
早めにこの席を二人の内どちらかに託し、僕も自分が成すべき事を成さなければならない。
「あの、会長」
「ん?」
不意に、新に呼ばれ首を傾げる。
新は資料を指さしながら、不思議そうな顔をして口を開いた。
「ここに書いてある“清掃活動”なんですけど」
「ああ……」
それの事か。と僕はニコリと笑ってみせた。
実は今日から約3週間の間、校舎内及び学校周辺の清掃活動を開始する事にした。
近頃、学校周辺に無造作に投げ捨てられたゴミや、学校内でのゴミの分別などが疎かになっている。
役員会議で議題となり、今回の清掃活動に関しては、僕が提案し立ち上げた行事だ。
「一般生徒には参加募集をかけておいたよ。もちろん、今回君たちと接触してもらう4名の一年生も、この清掃活動に参加してる」
「……ってことはつまり」
「うん」
僕がまたニコリと笑ってみせると、目の前の三人は露骨に嫌な顔をした。
「今日の放課後から、みんなで協力して学校をキレイにしようね?」
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