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気になる点
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「ファンクラブ?」
例の噂について、日野は一年生が主体となって生徒会のファンクラブを組織していると口にした。
「うん。成海、それについて何か知らない?」
そして次の日、朝成海が生徒会室に来た際にその話しをしてみたが、成海自身もファンクラブがあるだなんて初耳だ。と答えた。
「つか、別に勝手にやらせとけばいいだろ。どうせ俺らはもうすぐで引退だし」
「……そうなんだけど」
全く興味が無い態度を見せる成海に対し、僕は日野に聞かされた話しがどうも気になって仕方が無い。
成海が言うように、放っておけばいい事なんだろうけれど、一つ気になる事がある。
「樹?」
「あ、いや……」
でも、気になる事に対しては、確信があるわけでも無い。
これはあまり口外しない方がいい事なのかもしれないし、とりあえず僕のほうで調べるとしよう。
「なんでもないよ。とりあえずこれ、今日からよろしくね」
そう笑ってみせ、この後、朝の8時から行われる一回目の清掃活動の詳細が書かれた紙を成海に渡した。
成海は、どこか怪訝な表情をしていたが、紙を受け取ると何も言わずそのまま生徒会室を後にした。
「………はぁ」
思わずため息がこぼれる。
僕も早く集合場所に移動しなければならない。
成海に渡した紙は、それぞれが掃除をする場所と、担当する役割が記されたもの。
僕が今日担当するのは第2視聴覚室と…………
「……ん?」
資料を確認していると、廊下の方から、カタン、という物音が聞こえた。
不思議に思ったが、その時は気のせいだと思って廊下まで確認には出なかった。
誰かが生徒会室の前を通ったんだろう。とそれくらいにしか考えてなかった。
少し資料に目を通した後、机の引き出しからあるモノを取り出す。
それは昨日、日野が僕に渡してきたモノ。
取り出したのは4枚の写真。
一枚目は廊下を歩いている成海。
二枚目は読書をしている大崎。
3枚目は友達と会話をしている新。
そして4枚目は、僕の写真。
どれもこれも、隠し撮りと言った言葉が当てはまる様な写真ばかり。
日野はこの写真を体育館裏で見つけたと言っていた。
そして彼曰く、こうやって僕たち生徒会メンバーを盗撮した写真に値段を付け、ファンクラブの会員に売りさばいている人物がいるとのことだ。
もしもそんな事をしている人物が本当にいるとしたら、見つけ出して処罰しなくてはならない。
いくらなんでも、学生が校内でそんな商売をするだなんてあってはならない事だ。
それに、何かあってからじゃ遅い。
「………っ、」
写真を引き出しの中へ戻そうとしたら、また廊下の方から物音が聞こえた。
慌てて写真を仕舞い、生徒会室を出る。
「…………?」
だが、廊下には誰もいなかった。
「……気のせいかな…」
少し考え過ぎだと思い、
気を取り直して僕はそのまま第2視聴覚室へと向かう。
ファンクラブ等に関しては、今日、これから接触する一年生に聞く事にしよう。
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