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予鈴
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一年生を解散させた後、僕は一度生徒会室に戻った。
日野の事だから、そこで待っているだろうと思ったからだ。
朝の点呼まで15分を切った。
早めに用を済ませて教室に行かなくちゃいけないというのに、生徒会室に日野の姿は無かった。
僕の事を呼んでおきながら待ってないなんて。
電話をしてみたけれど日野は出なかった。
………早くしないと点呼に間に合わなくなってしまう。
「………教室に戻ったのかな?」
だとしたら、とりあえずメールを入れておけば大丈夫か。
そうだな。お昼休みにどうせ会うのだし、その時にでも話しを……
「っ、⁉︎」
メールを打とうと携帯に目を落とした瞬間、ぬっと、何者かの手が後ろから伸びてきて、僕は口を塞がれた。
携帯が床に落下する。
物凄い力で体を拘束され身動きが取れなくなる。
「ふ、っ、!……んぅっ」
背筋がゾクリと震えた。
力一杯抵抗してみてもビクともしない。
振り向こうとしても、それができない。
さっきまで、僕以外誰一人としてこの生徒会室には居なかったのに……
扉が開いた音もしなかった。
僕の背後に、一体どうやって、誰が……
その一瞬で、様々な事が頭に流れた。
「っんゔ⁉︎」
するりと、もう片方の手がシャツの中へと入ってくる。
ぞわりと全身に悪寒が走った。
更に足掻いてみたものの、なんの抵抗にもならなかった。
「っ、……‼︎」
息が、……苦しい……
「ぅ、んぅ……」
耳に息が吹きかけられ、またゾクリと体が震え力が抜ける。
どうしてこんな状況になったのか考えている余裕のんてなかった。どうすればこの状況を脱する事が出来るのか。考えてみたけれど、駄目だ………
「んゔ‼︎」
胸に手が到達する。弄られ、額から冷や汗が流れる。
……駄目だ…………力が入らない………
「っ……っ……」
床に落ちた携帯に手を伸ばす。
日野に送るはずだったメール。
日野に会うはずだったこの時間。
どうして僕がこんな目に合わなくちゃいけないんだ。
「………っ、ひ……」
それにさえ怒りを覚える。
あの馬鹿がここに居てくれさえいれば、こんな事にならなかったんじゃないのか。
…………いや、日野がどうよりも、男に後ろから襲われて、振り解く事も出来ない自分が情けない。
“いっちゃん、気をつけてな?”
「っ……」
まさか、日野が話していた例の件と……何か関わりが………
「んっ……ゔ、……は……」
大きな指が、口の中に入ってくる。
それは、予鈴が鳴り響いた瞬間だった。
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