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なんて古風な
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「ふぁ、ぁあ〜」
やっと英語の課題が終わってぐーっと背伸びをする。
俺だけの教室は物凄く静かでおかげ様で勉強に集中出来た。
ちょっとだけ机に突っ伏してみると、3秒で寝れそうなくらい眠い。
最近ずっとこんな感じやなぁ。
早く終わらしたいけど俺のキャパ数が限界値を超えちゅう。
しかも、今はいっちゃんにマンツーマンで教えてもらいゆう訳でもない。モチベーションは中々あがらん。
「喉乾いた……」
頭の中がぽや〜ってする。
昨日もこんな感じやっていっちゃんと電話しゆう途中で寝てしもうた。
しかも、とびきりめちゃくちゃスーパー良い夢を見てしまった。
最近いっちゃんに触ってないきかな?
めちゃくちゃ自分に都合のいい夢……。
内容はいっちゃんには絶対口が裂けても言えん夢。
「はぁ……ヤりたい」
ここまで性欲我慢したのは初めてや。
禁欲?正直もう限界。
桐島は急用で地元に帰ってったし…………俺のこの行き場のないなった性欲はどうすればいい。
解決法は簡単。俺が早く課題を終わらせればいいだけの話しや。
「いやこの量はすぐには終わらんやろ……」
いっちゃんは絶対分かっちょってこの量をこの時期に渡してきた。
かっきり3週間分の課題。どうやら清掃活動がある間は俺にかまう暇はないらしい。
そりゃあ、いっちゃんが忙しいのは分かるで?
けんど、もうちょっと俺との時間も大切にしてほしいなぁ………
「っと…これ渡しに行かんと」
終わった英語の課題を持って席を立つ。
これ見せたらいっちゃん褒めてくれるかな?なんて単純にもそんな事を考えただけで嬉しくなる。
いっちゃん、生徒会室かな?
さすがにまだ帰ってないよな?
「ふふん〜」
足取りは軽く自然とスキップしよった。
今日の分の課題を早めに終わらせる事が出来たき、もしかしたら久しぶりにいっちゃんとゆっくり出来るかな?なんて思いながら。
「あ、あの」
「んお?」
生徒会室がある階へと上がろうとした時、階段のところで誰かに声をかけられる。
「日野……先輩ですよね?」
立ち止まり、声のする方を見てみると、可愛らしい女の子が一人そこにおった。
「おん、そやで?」
一年生の女の子に声をかけられるのは初めてや。
にしても……こ、この子可愛らしいなぁ……
「ん、俺になんか用?」
ニコッと笑顔を向けて前屈みになってみる。
その子はちっとビクッとして俺から一歩離れると、プルプル震えながら小さく口を開いた。
「こ、これ……月島先輩に渡してもらえませんか?」
「……?」
そう言って差し出された封筒。
そして心なしか折れた俺の心。
「ん?なんで俺?直接渡せばえいやん」
これってお約束のあれですか?
「日野先輩……月島先輩と仲が良いとお聞きしたので」
あ。やっぱりそんな展開なんですね。
「んー、まぁ分かった。渡しちょくわ」
手紙で告白。しかもそれを俺伝いで渡すとかどういう心境になればいいんや。
手紙を受け取ると、その子はペコッと頭を下げた。
「あれ、ちょい待ち。これ名前書いてないやん」
「えっ……ぁ、っだ、大丈夫です……中にちゃんと書いてあるので……」
「ほう……なるほど」
まぁ、多分いっちゃんなら大丈夫よな?
恐らくこの中に入っちゅうのは恋文というやつやろう。今風で言えばラブレター?
なんて古風な。
「……それと」
ちょっと複雑。なぁーんて思いよったら、目の前の女の子は小さく呟いた。
「これ以上……月島先輩に近付かないで下さい」
「え?」
「っ、失礼いたしました」
「ちょ、ちょっと待ち‼︎」
ぼそりとその言葉を残して女の子はパタパタと去っていく。
ちっさい声で何を言うたかはあんまり聞き取れんかったけんど……
「これ以上近付くな……」
確かにあの子はそう言うた。
けんど、なんで?
「ん〜、そっか。あの子はいっちゃんの事が好きやき俺に嫉妬しゆうがか‼︎」
ああなるほどなるほど、うんうん。
嫉妬かぁ。いっちゃん人気者やもんな。
そんないっちゃんの好きな人は俺。
なんて、快・感。
「悪いけんど、いっちゃんはもう俺のやもん〜」
この手紙、受け取らん方が良かったかもしれんけんど、俺的には俺が知らんところでこれをいっちゃんに渡される方が嫌や。
目の前で読んでもらって、目の前でいっちゃんの答えが聞きたい。
……だって、隠し事なんて無しやろ?
「ふふんふんふん〜〜……あ‼︎」
階段をのぼって廊下を歩きよったら、窓の外に目が行く。
「いっちゃん発見‼︎」
上から見下ろしてみると、ここから見える渡り廊下の所にいっちゃんの姿が。
てっきり生徒会室におるかと思ったけんど、なんやまだ清掃活動終わってなかったがかな?
「あれ、一緒におる子……あの子どっかで……」
目を凝らしてみると、いっちゃんは一年生と二人きりで何か話しをしよった。
楽しそうな雰囲気ではないと分かり、多分やけんどあの一緒におる一年生が何かしでかしていっちゃんを怒らせたがやと思うた。
「ん〜、今行って大丈夫かなぁ」
さっき渡された手紙もあるし、俺の課題も……
「ま、いっか」
いっちゃんの機嫌が悪そうやったき後にしようと思ったけんど、そんなの知らーん。
「今行くで〜〜いっちゃん〜〜」
生徒会室に辿り着こうとしたその手前で足の向きを切り替える。
るんるん気分で俺はいっちゃんがおる渡り廊下へと向かった。
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