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消してあげる
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先輩って分かりやすいよね。ずるいよね。
ボクが全部聞いてるの知ってるくせに。
『っあ、日野っ……』
月島先輩の声……可愛い。
イヤホン越しから聞こえてくる先輩の声…授業内容なんて全く頭に入ってこないや。
「ふふ……かわい……」
今日だけは許してあげます。月島先輩だって、思い出作りくらいしたいでしょう?
先輩を1日中、ボクの部屋に閉じ込めておきたいところだけれど、さすがにそこまでボクは悪い奴じゃないよ。
最終的に先輩が帰ってくる場所が、ボクの元になればそれだけで満足だ。
『……ぁ、っあ‼︎』
あーあ。そんなに喘いじゃって。
あいつがそんなに良いの?…ボクには理解出来ない。
馬鹿丸出しで単細胞っぽくて、何も考えてないみたいなあいつの顔が頭に浮かぶだけで吐き気がしそうだ。
「水田……あのさ」
「ん?なに?」
「こないだの事だけど……」
「こないだ?」
授業が終わり、クラスメイトに呼ばれる。
ビクビクした態度で、ボクの顔色を伺う目の前のクラスメイトの姿は滑稽だった。
イヤホンを付けたまま、教室を出る。
ああ……先輩の声だけをずっと聞いていたいけど、まずはこっちの問題を片付けないと。
「っや、やっぱり俺……ちゃんと先輩に謝ろうと思うんだ」
辿り着いたのは4階の男子トイレ。
着いてそう言うなり、泣きそうになるクラスメイト。
「謝るってなにを?」
「だ、だからっ……俺が先輩の……その」
「体操着を盗んだ事?」
「っ‼︎あれは別に盗んだ訳じゃっ」
ダン、と壁を強く蹴る。
クラスメイトは膝から崩れ落ち、怯えた表情でボクを見上げる。
「何言ってるのさ、あれはれっきとした窃盗でしょ」
「ち、ちがっ」
「違わなくないよね?言い訳とか見苦しい奴」
「っ……」
ボクはこれまで、月島先輩を含む生徒会を観察、監視してきた。
それだけで十分満足は出来ていたけど、最近になって、ボクの許可無しに先輩達を盗撮したり、先輩達の私物を盗む奴らが現れ始めていた。
「言ってるでしょ…そのまま黙っていれば、あとはボクが上手くやってあげるって」
「ひっ」
先輩から頼まれていた事はちゃんと果たしたよ。
ファンクラブを組織した人物は、まさにボクの目の前にいるこのクラスメイト。
どうやらこいつは、渋谷先輩に好意を抱いているらしく、隙あらば先輩を襲って犯したいなんて思ってる変態野郎。
「い、言わないでくれっ……何でもするからっ」
「うんうん、良い子だね」
ファンクラブなんて、そんなものを組織されたせいでボクの計画が狂ったんだ。
ならば、とことん利用してやろうと思った。
「そうだ。あの子にお礼を言っておいてほしいな」
ファンクラブの会員は主に一年生。
先輩達に好意を抱いている生徒が多い。
「……あの封筒にはなにが入っていたんだ?」
以前、ボクの許可無く月島先輩に告白をした女子生徒がいた。
まぁ、結果は振られたみたいだけど。利用するならその後だ。
少し促してあげるだけでボクの言う通りに動いてくれた。
「それは内緒だよ」
先輩……ボクからのラブレター受け取ってくれましたか?
受け取ってくれましたよね。
「水田っ‼︎……本当にお前の言う通りにすれば……」
「…………」
良いねその目。欲しいよね、君も。
自分だけのものにしたいよね。先輩を。
「うん、だからまずは……ね?」
「……っ……」
月島先輩……たっぷりあいつに抱かれておいでよ。
ボクがきっちり、綺麗に全部、消してあげるから。
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