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急な出来事
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朝学校に着いたらやけに校内がざわついちょった。
起きたらいっちゃんおらんなっちゅうし、電話したのに繋がらんし、今日学校終わったら飯でも食べに行こうって誘いたかったのに。
「なぁ、なんでこんな騒がしいが?」
廊下に群がる人だかり。近くにおった奴に聞いてみると、なにやら今日、生徒会から緊急の知らせがあるらしい。
張り出された用紙に目を通すと、次期生徒会メンバーの発表と書かれちょった。
「ん?けんど早くない?」
確か、清掃活動期間が終わってから1週間後に発表……っていっちゃんは言よった気がするに。
「お前知らねえの?」
「なにが?」
「ほら、副会長が入院したんだよ」
「……は?」
ナルが?入院?なんで?
「書記の2年もさぁー、足骨折したみたいでさ。なんでも階段から落ちたとかなんとか……」
「骨折じゃねえ、ヒビだ」
すぐ隣から姫の声が聞こえた。
見てみると、姫は松葉杖をついた状態で俺を見上げる。
「ちょお、なんでそんな格好しちゅうがよぉ‼︎」
「うっさい黙れ。つかお前、会長どこにいるか分かるか?」
おいたわしい姿になった姫の頭をグリングリン撫でちゃろうと思うたのに断固拒否される。
しかも、凄い形相で俺を睨み付けながら、姫はいっちゃんを探しゆうと言うた。
「チッ……なんでいきなりこんな…」
姫も、どうやら今回の発表については聞いてないみたいやった。
いっちゃんは生徒会室やない?と答えると、姫はひょこひょこと松葉杖をつきながら俺の前を去る。
「えらい不機嫌やなぁ」
と言うより、なんでまた階段から落ちたのか聞き忘れたわ。
ナルはなんで入院?姫の足の怪我と関係あるがかな。
「はぁ〜、こんな朝早くから全校集会とかまじやめてほしいよなぁ」
「生徒会なんて誰でも良いじゃねえかよ」
「つか発表にはまだ早くね?急過ぎるだろ」
「まぁ副会長と書記があの状態じゃ待っても仕方ないだろ。遅いか早いかだよ」
予鈴が鳴ると、口々に文句言いながらみんなは教室に帰って行った。
俺も自分の教室に戻ると、もう教室の前には列が出来ちょった。
正直なところ、ちょっとめんどくさい。
いっちゃんの顔見るだけでもいっか。なんて思いながら列に並び、体育館へ向かう。
壇上のそばにはいっちゃんと姫、あとしーちゃんが横列になって待機しよった。
けんど、聞いた通りナルの姿は無い。
あ、姫はいっちゃんと話出来たかな?
『おはようございます』
呑気に構えておったら、壇上にいっちゃんが上がり挨拶を始めた。
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