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やり直そう
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「いやっ……いやっ……先輩っ……」
僕の下で泣き崩れる水田くんの声。
僕を拘束する為に用意していた鎖を今度は彼の手首に巻き付け、ベッドと繋ぐ。
嫌だと言って効かない彼に、何度も愛撫を繰り返した。
「ヒック……っせんぱい…う…っあぅ」
躊躇いそうになる自分を押し殺し、出来るだけ彼を見ない様に、何度も、何度も、肌に触れる。
「どうして泣いてるの?僕がほしかったんでしょ?」
「うあっ……あっ、ひ……」
彼の性器を撫でながら、涙が伝う頬に唇をつけると、水田くんの体が跳ねる。
……ごめん……こんな事をして。
だけど、もう少し。もう少しだけ僕を見て。
「僕の事が好き?」
「……はっ、ヒュ、あっ……あ」
「好きなら……ね?……良いよね……」
「いやあっ……やだっ先輩っ‼︎」
後ろに性器を当てがうと、水田くんは足をバタつかせた。それすらも無視し、僕は彼の腰に手を添え体を密着させる。
「ボク……はっ、こんな……違う……こんな先輩が、ほしかったんじゃ…な……」
大粒の涙が揺れる。彼の目に浮かぶものを見ると、胸の奥がまたジリジリと痛む。
「……心外だな。僕をずっと見てきたなら、僕の事をちゃんと理解してるはずだよ」
「ひっ……」
もう二度としないと決めていた事。
こんな事をしたところで、相手を傷付けてしまうだけだと分かってはいる。
「月島、せんぱ……」
だけど、ちゃんと僕を理解して。
僕は君が思っているような、綺麗な人間じゃない。
「この体は君にあげるよ。だけど気持ちまではあげられない」
それでも君がほしいと言うのなら、僕は君が望まない僕を精一杯演じよう。
沢山傷付けて、沢山泣かせて、沢山ひどい事を君にしてあげる。
「僕は、りゅうが好きだよ」
「っ……」
それが君にとっての僕に対するケジメだ。
僕を手に入れる代わりに、君の絶望の全てを僕に捧げてもらうよ。
「…い、やだ……グズっ……や……」
人は脆い。簡単に傷付く。
「ごめん、なさい……ごめんなさい……っ」
簡単に壊れる。
「謝ってほしいんじゃないんだよ」
「ひっ…‼︎」
僕を許すな。
僕も君をこの先一生、許さない。
「……本当に酷い事って、君はなんだと思う?」
「先輩っ……いた、い……っ」
「っ、ねえ……答えて」
「そんなの……っわからな……ああっ」
収縮を繰り返す小さな蕾を押し広げ、水田くんの中に侵入する。
ガタガタと震える体に、容赦のない行為。
痛い事をしているということは分かっている。
「……っは、…」
「いっ…たいぃ……せんぱい……痛い、よぉ」
「……っ」
目を閉じると、学校での事を思い出した。
初めて新達にあんな態度を見せた。
笑わないようにする事は、案外難しい事だった。
……本当に申し訳ない事をしてしまった。
「りゅう」
「ゔ、ぅう……っう……ぁう」
本当に酷い事。
それは傷付けているという自覚があるか無いかの差だと、僕は思うんだ。
「………………水田くん」
体を起こし、彼の中から性器を抜く。
離れた途端にその場で膝を抱え身を小さくする水田くんは、ぼたぼたと涙を流しながら僕を見上げた。
水田くんがこんなにも弱い子だとは思わなかった。
僕を虐げていた時とは比べ物にならないような……こうして見れば本当に水田くんもただの一人の生徒。
先輩を思ってくれている、僕の可愛い後輩だ。
「……僕を解放してくれないかな?」
「…っ……ヒック……」
精一杯笑ってみせる。こんなにも僕の事を思ってくれている君に。
けれど、僕の中にはもう日野しかいない。
「誰かを傷付けて得るものって、何も無いよ」
「…ふっ……ゔ、ぅ……」
「ごめんね。僕は君のものにはなれない」
水田くんには知ってほしかった。
本当にほしいと思えるものを。
こんなやり方じゃ、何も手に入らないという事を。
「………ボクは……先輩が……」
「うん。分かってるよ……」
「…せんぱいが……好き、なだけなのに……っ……」
ぐしゃぐしゃになった顔でシーツを握り締める水田くんを見ていると、自分と重ねてしまう部分があって胸が苦しくなる。
「……僕もね、日野が好きなだけなんだ」
そっと水田くんの頬に流れる涙を拭う。
微笑みながら、分かってほしいと呟くと、彼の目にまた涙が溢れた。
「ごめんなさい……先輩……ごめんなさい……」
「………うん」
まだ間に合う。
きっと君は、とても素直で、自分に正直になれる子だ。
「ありがとう」
だから、1からやり直そう。
僕と君の関係を。
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