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初めまして
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「チッ・・・これから良いとこなのによ」
「成海、前にも言ったよね?
校内でのセクハラは禁止。」
今、俺の前ではイケメン2人が
言い合っている。
眼鏡野郎は認めたくねえけど。
「成海がごめんね、大丈夫?」
やがて俺の方を見て、
手を伸ばしながらそう言った
「は・・・はい」
伸ばされた手を取り、
俺はひとまず体を起こす。
「君は?」
そして、そいつはにこっと笑って俺に尋ねた。
「し、渋谷・・・新です」
俺がそう名乗ると、
そいつは何かを思い出したかのような顔をした
「ああ!君があの渋谷君か!
生徒名表の写真とちょっと雰囲気
違ったから分からなかったよ。」
そう言うと、手を握り返して
握手をしてくる。
一瞬戸惑ったが、とりあえず俺も握り返した。
「・・・?俺の事知ってるんですか?」
「もちろん。」
ふふっと笑った顔は
あの大人っぽい綺麗な顔立ちからは
想像もつかないくらいに
めっちゃ、可愛かった。
「あ、自己紹介するね。」
この時、眼鏡が後ろで俺を睨んでいるのは
気付いていたが、
気付かないフリをしておこう。
そして俺はそのまま視線を眼鏡からずらし、
このスマイル人間を見た
「僕は月島樹。
これでも、この学校の生徒会長を
務めています。よろしくね。」
「せ・・・・」
生徒会長ッ!?
自分の顔が一気に強張るのが分かる
おいおいおい、生徒会長かよ
しかも最悪な場面を
見られちまったじゃねえかよ
そういえば、よく見るとこいつ
入学式で居た奴じゃねえかよ!
やべぇ全然気付かなかった
「よ、よろしくお願いします」
俺がそう言うと、
会長はまたにかっと笑って
俺の手をぎゅうっと握り締める
や・・・会長に会うとか・・・
眼鏡との事もあるし流石に色々気まずい。
早く手ぇ離してくんねえかな・・・
そう思った時だった
「で、いつまで手ぇ握ってんの?」
口を開いたのは眼鏡だった。
あきらかに声がいつもより低い。
「あっ、ごめんね。
渋谷君が可愛いかったからつい」
「・・・・」
可愛いって言うな
俺はその言葉を言われるのが
1番嫌いなのに。
まぁそんな事を会長に言える訳もなく、
とりあえず微笑んで返した。
多分顔は引きつってたと思うけど。
「樹。お前今日は外部訪問に行くんじゃねえの?」
「ああ、その資料をうっかり
忘れちゃってね。
朝のうちにここに取りに来たんだ」
「お前昔からどっか抜けてるよな。
気ぃつけろよあほが」
あれ・・・
「あほは余計だよ成海」
「うっせえ。用事済んだらさっさといけ」
なんだ?・・・なんか・・・
眼鏡の野郎、俺に話す時よりも
話し方がなんか違う・・・
もっと、荒っぽいというか・・・
「今日の放課後は?」
「んー、時間が間に合えば来れるけど・・・」
「あ、あの・・・」
とにかく、早く教室に戻ろう。
2人とも話ししてるし、
俺が居ても邪魔なだけだし
「俺、そろそろ教室戻ります」
俺がそう口にすると、
眼鏡は、はっと笑って俺を見た
「何?新、急に敬語なんか
使っちゃってさ」
「てめえに!・・・な・・・
成海先輩には言ってないです(怒)」
殺意を込めてそう言うと
俺は会長の方を向いて
礼をし、生徒会室を出ようとした
「おい」
その時、開けようとした扉を眼鏡に邪魔され、
後ろから覆い被される。
いわゆる、背後からドン だ。
なに? 背後からドンて。
自分で思ったけど訳わかんねえ。
「な、なんだよ」
「さっきの続き、放課後するから」
ボソッと俺の耳元でそう呟いた
「はっ!?なに?い・・・」
意味が分からない
後ろを振り向くとすぐ近くに
眼鏡の顔があった
「っ!」
「じゃあ新君。また放課後ね?」
眼鏡はにやりと笑い
またいつもの声のトーンで言ったが
この時は何故か、こいつの顔が
悪魔に見えた。
「じゃあまたね。渋谷君」
会長はその後ろでにこにこと
手を振っている。
ああ・・・会長・・・
そんな微笑ましいように俺を見ないで
頼むから俺をこの眼鏡悪魔から
救ってくれ。
「ご、ごきげんよう」
そう言い残し、生徒会室をあとにした。
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