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嵐の足音?
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金曜から土日を挟んで、
3日ぶりに俺は学校に登校した。
体の傷はまだ治ってねえけど
とりあえずは見えない場所だし、
この季節から制服もようやく秋服となり、
カーディガンでも着てれば
丁度いいくらいの暖かさだった。
「新ー!お前金曜どうしたんだよ!?」
点呼が終わるなり、ダチが俺に集まってくる
「あー、ちょっと体調不良」
「お前でも風邪引くんだな!
あの皆勤馬鹿が風邪なんて・・・
き、気の毒だぜ。」
ダチはポンっと、俺の肩に手を置いて
おいおいと泣くフリをする
「お前こそ季節の変わり目なんだから
風邪には気を付けろよ」
「きゃっ!!新が優しいっ!抱いてっ」
「シネ」
いつもの会話のやり取りに
先週末あった出来事なんて嘘のようだった。
「あ、んでお前、結局生徒会どうなったんだよ?」
ダチのその言葉に体が冷えるのが分かる
あれから、会長には会っていない。
もちろん、生徒会室にも行ってない。
こんな気持ちのまま、
生徒会なんて務まるわけが無い
「あー。断るかも」
「え!勿体ねえよ!」
そうだよな。
普通なら引き受けるよな
でも、その資格がもう俺にはないんだよ。
こんな浮ついた気持ちで、生徒会なんて
「まぁ、別の奴がまた推薦されんだろ」
そう言って笑ってみせると、ダチは、
それもそうだなっ と笑い返してくれた
とにかく、今はその話はしたくない
考えたくなかった。
「はぁーーっ」
ダチが席に戻ると、
俺は大きく息を吐いて机に伏せた
「生徒会・・・・かあ」
頭が悶々とする中で、必死に
別の事を考えようと、その日は
いつにも増して授業にのめり込んだ
「渋谷ー!飯食おうぜー!」
そして昼休み。
そう誘われて食堂に行こうとした時だった
【ピンポンパンポーン〜♪】
『1年B組渋谷新さん、大崎忍さん、
至急生徒会室までお越しください。
繰り返します・・・』
放送が鳴り響いて、
歩いていた足がピタリと止まった
「おい、新呼ばれてんぞ?」
・・・なんでこのタイミングで
しかも、大崎も?
「わ、わりぃ。ちょっと行ってくる」
うわぁ。行きたくない。
生徒会室ってことは呼び出したのは
会長だよな?
なんだろう。俺が生徒会にふさわしくないから
代わりに大崎を推薦する・・・とか?
ドクドクと心臓が跳ねる中
重い足取りで俺は生徒会室に来た
「・・・し、失礼します」
ガラリと扉を開けると
中には会長机に肘を付いてこちらを見る会長と
その前に眼鏡と、大崎の姿があった
「久しぶり。新」
会長は俺を見ると
出会った頃のあの優しい笑顔で
にこりと笑ってみせた
「入って。」
そう言われるがまま、
俺は生徒会室に足を踏み入れる
何故か、この時の会長の笑顔に
俺は少し違和感を感じた
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