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王子降臨
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あの後、眼鏡と何度かキスをした。
俺からあいつにキスをしたら
眼鏡は切なそうに笑って
俺の名前を呼んでは抱き締めてきた
何故かそれが、俺も凄く切なく感じて
優しく包み込んでくるあいつの背中に
応えるようにして手を回した
二人きりの空間の中で
あいつは俺に何度も好きと呟いた
その言葉を聞くたびに
“ 俺も 好きだ ” と
言いかけそうになって
喉でその言葉が止まる。
あいつの気持ちに応えたいのに
好きって伝える事が
こんなにも臆病になってしまった。
そんな事もあって、文化祭まで早、一週間
眼鏡の事と会長の事を悶々と考えてる中
今日は演劇部が繕った衣装のサイズ合わせ。
生徒会室に集まって、
部長さんがいつものように陽気なテンションで
大きな段ボールを抱えて入ってきた。
「みなさぁーん❤︎
今日はいよいよ衣装を着て頂いて、
最終のサイズ合わせをしまぁす❤︎」
そう言って、段ボールの中から
次々と衣装を取り出して
割り振りされたそれぞれの役に渡してくる
「じゃあ、着替えてきて下さい❤︎」
部長さんはワクワクしながら
ソファに座って、
俺達は衣装に着替え始めた。
そして数分後。
「あらぁ〜❤︎書記君早いですね❤︎」
もちろん、一番手の凝っていない
小人の俺が最初に着替えを終えた。
「部長さん。やっぱ俺、木がいいです」
緑の小人の衣装に、頭には高さのある三角帽子。
備え付けに長い口ヒゲまで用意されていた。
「もぉ!木の役は決まってますって❤︎
それに、可愛いですよ書記君❤︎」
いや、これは可愛いとは言わねえだろ。
「こんなに本格的とは思わなかったよ。」
ガクっと肩を落としていると
今度は会長が着替えを終えて出てきた
「か、・・・会長?」
「おお〜❤︎」
王子の衣装を身に纏った会長の周りを
キラキラと光が取り巻いている・・・
付けていたヒゲがポロっと落ち
慌ててヒゲを付け直してまた会長を見た
「ん?どうしたの新?」
「ひゃっ、なんでもございませんっ」
顔の前で、ブンブンと手を振って
会長に背を向けた
ヒゲが付いていて良かった・・・
今の俺、絶対顔赤い・・・
だ、だって会長・・・
「新?」
ズイっと、会長が俺の顔を覗き込んできた
会長を取り巻く光が、直接目に入ってくる
「ぐはっ!」 (吐血)
か、会長ぉ・・・・
「あ、新?大丈夫??」
ま、まじ・・・本物を超えた王子・・・
グッと親指を立てて、会長に
ナイスっと合図をした。
こんな姿、女の子が見たら
絶対一目で惚れるって!破壊力パネエっ
そんな俺を見た会長は、
にやりと笑って俺のヒゲを掴んできた
「わっ、か、会長っ?」
『可愛い小人さんだね』
「ふぇ?」
突然、なりきりスイッチをオンにして
王子モードで顔を近付けてくる
『お姫様もいいけど、こんな可愛い小人を前にしたら
僕にはもう姫との出会いなんて必要ないよ。』
「か、会長?」
や、やめてっ!耳元で囁かないでっ
そんな王子オーラ纏って言わないで
し、心臓がもたないっ
『このまま、君を連れ去って
僕の城で一生仕えさせてあげる』
「ぶはっ」 (新、二度目の吐血)
も、もう連れ去って下さい・・・
悶えるように地面に膝を付いて
また会長にナイスっと合図をした
「おい、こんなんでいいのか?」
そんな時、今度は眼鏡の声が聞こえてきた
パッと顔を上げると
「サイズ、少し小さくねえか?」
「・・・・・・」
会長の王子オーラとはまた違う
これは・・・溢れ出るエロオーラ
「何してんだよ新」
「だ・・・・」
立っていたのは、
青味を帯びた長い女物のかつらを被り
王妃のドレスを身に纏った
恐ろしい程の、目映い美女
「・・・誰」
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