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同じ穴の大崎。
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僕は今、人通りの少ない保健室の前に居る。
なんとか、演劇の練習も終えて
いよいよ今日が本番だ。
今のところ、開始2時間、
誰にも会うこと無くやり過ごしている。
クラスの出し物からはなんとか回避出来た。
白雪姫役になったのは悪運だったけど
教室で一日中女装するよりは百倍マシだ。
このまま、プレートを持って、
人の少ない場所を歩けば
後は演劇に備えるだけ・・・・
演劇は午後2時半からの1時間。
それさえやり過ごせば・・・
ふふっと、笑みを零しながら、
そんな事を考えている時だ
「大崎ーーーっ!!」
「ひゃあっ!!な、なにっ!?」
いきなり後ろから、クラスの・・・
確か、田中君?だよな
田中君が声を掛けてきてビクっとしてしまった
「ど、どうしたの?」
田中君・・・メイド服だ
そっか、ホール係なんだ・・・ドンマイ。(哀れんだ目)
「お前っ、今すぐ教室戻れ!」
「・・・・・え?な、なんで?」
突然訳の分からない事を言われて
後ろから肩を両手で押さえつけられて
そのまま歩かされた
「ちょっ、ちょっと!僕は宣伝しなくちゃ」
宣伝して無かったけど!
「クラスの女子が!
お前を連れて来いってうるせえんだよっ!」
「ど・・・」
どぇぇぇえええ??なんでぇ!?
そしてこの後、僕は身を呈して知る。
文化祭は、思ったよりも最悪なモノだと
「ちょっと!何で僕がっ」
無理矢理教室に連れ込まれたかと思えば、
女子に制服を引っぺがされ、変な服を渡されて、
それを着て宣伝をしろと脅迫。いや、脅された
じゃんけんに勝った意味無いじゃないかっ!!(怒)
「お願い!今渋谷君が休憩入っちゃって
客の入りが悪いの!このクラスで
小柄で女装の似合いそうな男子はもう大崎君しかいないのっ!」
し、知らないよそんな事っっ
「じょ、女装なんてっ」
万が一、また渋谷君に見られたらっ
「四の五の言わない!!(怒)」
「はい」
まるで鬼だ。
なんて恐ろしいんだ僕のクラスの女子は(泣)
もう不良をこえた鬼だよ・・・
女子にさえ、言い返せないなんて
どうして僕はこんなに弱いんだ(泣)
体中の穴から、水が垂れ流れそうだよ。
「え・・・・・・この服って(泣)」
渡された服を、泣きそうになりながら着て
恐る恐る女子の前に出た
「こ、こんなの着て宣伝なんて・・・」
「大崎君・・・・・」
ほらなっ!こんな服なんて似合うわけ
「いやぁーーん❤︎やっぱり似合ってるぅ❤︎」
って展開にはもう慣れたよ!!
「・・・で、これからどうすれば?(泣)」
諦めた。諦めたよもう。
今日は最悪だってもう悟ったよ。
一日己を殺すしかないよ。
「ちゃんと髪の毛もセットするから!
後はこの扇子と、プレートを持って
校内からお客さん引っ張って来て❤︎」
きゃっきゃっと僕の周りをはしゃぎながら、
女子にふわふわな毛の着いた扇子を渡されて
ご丁寧に髪までセットされ、
最終的には言葉遣いまで指摘された。
「い、嫌だよ!そんなっ」
「いいから!ほら!ポーズ取って!
そのままさっき教えた台詞っ!」
こ、怖いよっ
なんなのこのクラスの女子っ!
目が破壊的に怖いよっ
下手したら、ヤクザ越えなんじゃないのか・・・
女子の恐ろしい威圧に押された僕は
言われた通りのポーズを取って
扇子を広げ、プレートを頬の横に添えた
「・・・・ル」
「聞こえない!!その台詞に
お客さんの数が託されてんのよ!
はい!今一人カモが目の前に来たと過程して!
もう一回!」
「・・・っ(泣)」
どうして、この僕が
「ワタシに、今すぐ着いて来るアル☆(泣)」
チャイナドレスなんか着なくちゃならないんだ(怒)
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