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少しは素直に
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「ちょっ、何っ!?」
あのまま、眼鏡に腕を引っ張られて
眼鏡の教室の中へと連れ込まれた
どうやらこいつのクラスの出し物は
お化け屋敷ならぬヴァンパイア屋敷らしく、
中は真っ暗だった
暫く強引に引っ張られた後、
眼鏡は急に立ち止まって、
そのまま壁に背中をつかされた
「で、さっきから俺の背中に向けて
何をしてたのかな?」
前は全然見えないけど、
眼鏡の声からして、怒っているのは分かる。
「て、てめぇ気付いてたのかよ」
「当たり前だろ。
教室の前に来るなり隠れて
その上、人の背中に向けて射撃なんて。」
げっ、最初から気付いてたのか(汗)
ん?・・・まてよ、最初から気付いていた?
「じゃ、じゃあ、なんで声掛けなかったんだよ」
どうして気付かない振りしたんだ
なんで俺が居るって分かってて
女子にベタベタと体触らせたんだよ
「何って。新が隠れたからだろ」
「そう言う事じゃねえッんッ!?」
「しっ・・・もうちょい音量下げろ。
客に気付かれるかもしれねぇだろ」
大声を出そうとしたら、
眼鏡が俺の口に手を当ててきた
そうだ・・・今は文化祭の途中・・・
「っ、・・・」
「・・・・」
ふっと体の力を抜くと、
眼鏡は俺の口から手を離した
「・・・・・・・なんで、あんな事したんだよ」
「なにが?」
なにがじゃねえよ
なんだ?やっぱり女の方がいいってか?
そりゃあんな美女に囲まれたら
俺の事なんてどうでもよくなるよな
「・・・・くそ眼鏡が」
むかつく。何余裕こいてんだよ
お前の好きってその程度かよ
「・・・新?」
「っ・・・」
どうしてこんなにむしゃくしゃすんだっ
なんでこんなに胸が痛いんだよっ
「新・・・」
「っ・・・触んなッ」
眼鏡の手が頬に触れたけど、それを振り払った
女に触れた手で、触んなよくそっ
「・・・・・・分かったよ」
「・・・・は?」
「じゃあ、俺戻るから。
この先右に曲がって真っ直ぐ行けば出口。
後は一人で行って」
な・・・・・なんだよそれ
どこ行くんだよ
またあの女のとこか?
「ま・・・てよ」
目の前が、暗くて何も見えない
手を伸ばしても何も無い
あいつの気配が消えた
「おい・・・待てよ」
本当に行ったのか?
俺を置いて・・・
「な・・・・」
なんで、離れるんだよ
前みたいに、抱き締めて・・・来いよ
「なる・・・み」
真っ暗な闇の中で、小さくそう呟くと
それと同時に、体が甘い香りに包まれた
「っ!?」
「やっと呼んだ」
耳元で、優しい声が響く
「お前を置いて行くわけないだろ」
「なっ・・・・」
離れて行ったんじゃないのか?
俺を置いて、あの女のとこに
行ったんじゃないのか・・・?
「新」
「っ・・・」
むかつく・・・
全部お前の思い通りになってるみてぇで
お前が離れて行った時、
始めて俺は自分でお前を求めてる
それを分かってて・・・お前は
「・・・むかつく・・・っ」
それでも、抱き締められたこいつの腕に安心して
背中に手を回しては、眼鏡の胸に顔を埋めた
「俺が女と話しててムカついた?」
「っ・・・ムカついた」
「体に触らせた事は?」
「・・・・・・・ムカついた」
全部、分かってて・・・
俺の前であんな事したのかよ
「新」
「っ!?」
その時、眼鏡はまた強く抱き締めてきて
頭に手を回され、眼鏡の顔が近付いたのが分かった
「やばい・・・嬉しい」
「は?」
な、なにが嬉しい?
こいつ、人の気持ちを弄んで
それで嬉しいってか!?
お前はやっぱりとんだドSだな!(怒)
「お、おいっ!」
くそっ!一発殴って・・・
「ヤキモチ。」
「・・・・・・は?」
ヤキモチ?・・・
「妬いてくれたの、すげぇ嬉しい」
俺が・・・妬いた?
「な、何言ってんだよ」
嫉妬なんて・・・そんなのするわけ・・・
「顔、熱くなってる」
「う、うるせぇ」
妬いてた・・・のか?
こいつが、他の奴に触れて、体を触らせたりした事に
「・・・・・・や」
「ん?」
じゃあ、あのむしゃくしゃした感じも
胸が痛かったのも・・・
「やい・・・た」
妬いてたのか
「え、なに?」
「っ・・・・だから、妬いた!
お前が女相手にへらへらしてっから!
触らせたり、触ったりするから!
俺以外の奴にっ・・・そんな事、する・・・から」
詰まっていた言葉が出ると
また顔が熱くなって
どんどん声が小さくなる
「俺以外の奴に・・・・触んなよ」
ぎゅっと眼鏡の服を掴んで
真っ暗な中で、小さく呟いた
「・・・触らせたり・・・すんなよ」
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