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終わりは始まり
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いつの間にか寝てしまっていて
目が覚めたのは昼休みに入る少し前だった
目が冷めると隣には眼鏡が居て
俺の顔を覗き込むなり
微笑んでは“おはよう”と言ってきた
あまりにも甘い目覚めかと思って
心臓をバクバクさせていたら
そのあとすぐに放送で、俺と眼鏡は
生徒会室に呼び出された
「・・・・・」
そして何故か、会長の前に二人して立たされて・・・
「なるほど。で、そのまま眠って・・・
二人共午前の授業を休んでしまったと」
「・・・・す、すみません(泣)」
お説教を受けています。
「まぁその様子じゃ、二人は上手くいったみたいだね」
「・・・か、会長」
そして、にこにこと笑いながらそう言っては
俺達を見つめてるけど・・・
「なに?新」
会長っ!目が笑ってねぇ!
「そ、その・・・・」
どうしよう。眼鏡との事あるし
いきなり会長に呼び出されるなんて
「す、すみません」
「なんで謝るの?」
いや・・・だって・・・
「樹」
視線を下に落としていると
隣から眼鏡が会長に声を掛けた
「成海・・・」
そして、会長は眼鏡に視線を向けて
椅子から立ち上がっては眼鏡に近付いて・・・
「っ!?」
会長は、眼鏡を殴っ・・・・た
「えっ!あ、会長っ!?」
殴った!?!?
「成海・・・・」
ちょっ!!会長っ!?
「っ・・・」
会長のその行動に、俺は慌ててしまって
いきなり殴られた眼鏡は
暫く下を向いた後、会長へと目を向けた
そして、会長はふっと笑って
また何かを呟いたけど、
その声は笑ってなんかいなかった
「成海、もしもまた新の事を要らないなんて言ったら、
こんなもんじゃ済まさないから。」
「か、会長ぉ・・・」
そ、そんな惚れるような事言ってくれてるけど、
まじ怖えよ・・・
「・・・・分かってるよ」
「ふふっ・・・なら良し」
眼鏡がそう言うと、
会長はにこりと笑って眼鏡に手を差し伸べた
「殴ったりしてごめんね。
でも、少しはお前も痛い目みないと」
「別に痛くねぇよ・・・こんなの」
会長の手を取って立ち上がった眼鏡は
暫く会長をじっと見た後、少しだけ笑った
「・・・・・」
なんか、つい最近までは
二人はピリピリしてたのに・・・
その時の二人を包むオーラは
なんかほわっと、優しくなってた気がする・・・
「さて、午前の授業を休んだ分、
君達には働いてもらうよ」
そして会長はくるりと俺の方を向いて
いつものキラキラ笑顔でそう言った
「働く?」
「うん。成海は今から、僕と一緒に職員室に。
何やら頼み事があるそうだよ。」
「は?」
「新はここで文化祭の来校者からの
アンケート結果の集計をしていて欲しいんだ。」
「え・・・は、はい」
そうか・・・俺達は生徒会だもんな
色んな仕事が回ってくるに決まってる
呼び出されたのも、その事か・・・
「おい、頼み事ってまさか、あの事か?」
眼鏡は何かを思い出したかのような顔をすると
すぐに怠そうな表情に変わった
「そうだよ。ほら早く行かないと時間が無いから
新、すぐに戻ってくるから。それまでその仕事任せるね」
眼鏡の背中を押してそのまま
会長と眼鏡は生徒会室を出て行ってしまった
ピシャリと扉は閉められて
一気に生徒会室が静かになった
「・・・・ぼっち・・・辛」
ポツンと取り残された俺は
机の上に置かれた山積みの資料を見ると
涙が出そうになった
「これ、今日中には終わらねえ・・・」
って!何を弱気になってる俺!!
会長に助けてもらった分、
ちゃんと恩返ししねえと!!
フンっと腕に力を入れて
一枚ずつ資料の内容に目を通した
とりあえず、昼に終わらせれるだけ終わらして
少しでも早く仕事片付けねぇと・・・
「・・・ってあれ・・・そう言えば
大崎は大丈夫だったのか?」
ふと、大崎の事を思い出した
あれから教室には行ってねぇし、
大崎も学校に来てるなら
ここに呼び出されて俺と作業するはずなのに
「まさか、何かあったのか?・・・」
そんな事が頭を過って
作業をしていた手を止めて秋人へメールを打った
「だ、大丈夫だといいけど・・・」
とりあえず、秋人からの返事を待とう。
携帯を仕舞って、また資料へと手を伸ばした
一枚終わって、また一枚
少しずつ作業を進めていたけど・・・
「め、目が痛え・・・」
アンケート内容多すぎだろ
作業を始めて15分もしない内に
目がしょばしょばしてきた・・・
「会長も、眼鏡も・・・早く帰って来てくれよ・・・」
このままでは、本当に終わらないぞおい
放課後に大量持ち越しだな・・・(泣)
はぁっとため息を付いて、少しだけ喉が乾いた俺は
一度教室に戻って飲み物を取ってこようかと思い
椅子から立ち上がり
生徒会室から出ようと扉を開こうとした
「お邪魔しまあーすっ❤︎」
「ぶはっ!!」
・・・・・その時
勢いよく扉が開いたかと思えば
扉からこれまた勢いよく入ってきた
何かに顔面を思いっきりぶつけた
「お、おお!すまん!」
「いっ・・・・つぁ・・・」
その反動で俺は後ろに倒れて腰をついた
ジンジンする顔に手を当てると
これまたズキズキと顔面が痛んだ
これ、鼻折れた絶対・・・いや折れてねぇけど
「悪いっ大丈夫か??」
「あ、ああ・・・」
ぶつかってきたのはどうやら男のようだ。
心配そうに俺に手を差し伸べるそいつの手を取って
体を起こした時
「お・・・・お・・・」
「・・・は?」
俺を見るなり、こいつは何やら変な声を漏らし出した
不思議に思い、俺はそっと、そいつの顔を、見・・・
「って!でかっ!!」
背がくそ高えっ!!
「・・・って・・・あれ・・・
この流れ・・・どっかで・・・」
待て、おかしいぞ・・・
目の前に居るのは、確か・・・
「お、おいあんた・・・」
「見つけた!!」
「っ!?」
どこかで会った事あるか?と
聞こうとしたら、こいつはいきなり
大声を上げては、俺の両手を握り締めてきた
「ちょっ!なんだよ離せっ!!」
「まさか男やったとは!!思いもせんかった!」
「はぁ??」
訳のわからない事を言い出しては
目をキラキラと輝かせている
「でもそんなん気にせんき!俺は全然ウエルカムやで!」
「はっ?だからなんだよ!?離せよおいっ!!」
嬉しそうに俺の手をブンブンと振っては
だんだんと俺に近付いてきた
「ちょっ、おい!お前っ!!」
「いやぁ〜こんなすぐに会えるとは思うてなかったちや」
しみじみと、古臭い喋り方をしては
何故かこいつは、俺のケツを触ってきた
「・・・・・て、てめぇ!(怒)」
いい加減にしろと、一発殴ろうとした時
「なっ!?」
「そんな暴れんとってや♪別に悪いようにはせんき♪」
こいつは俺のパンチを、
すんなりと受け止めてしまった
「くそっ!離せよっ!誰だよおい!」
「ええ〜?忘れたが?あんな運命的な出会いしたやんかあ〜」
はぁあ??運命的な出会い??
俺はてめえみたいな変態なんかと
出会った覚えは・・・・ね・・・ぇよ
その時、何かが頭の中を過った
・・・・変態・・・・
ケツを触ってきた・・・
「・・・・ま、まさか」
「ふふ❤︎思い出してくれた?」
いや、まさかそんなはずはない
だって、あいつは別の制服を着てたし
「お、お前は・・・」
そんな、漫画みたいな事・・・
「ありゃ?困った顔しちゅうで?
ふふっ❤︎可愛いなあ・・・」
こいつは・・・あの時の・・・
なんだ?背筋がゾワゾワする・・・
「きょ、巨人・・・」
「ははっ、だからなんぞ巨人って(笑)
俺にもちゃんとした名前あるぞ〜」
「・・・・」
い、嫌な予感がする・・・・・
「俺は龍也。日野龍也やき♪龍って呼んでや❤︎」
せっかく、生徒会に平和が来たと思ったのに
平和は一日と持たずに・・・
「今日からよろしくな❤︎お姫サマ❤︎」
得体の知れないこの男が
生徒会をまた、大きな嵐へと巻き込もうとしていた
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