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悩んだ末の結果
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結局、秋人君の連絡には一切出ず
そして今日も学校を休んでしまった
本当に僕は何をやっているんだ
今まで必死に皆勤を続けていたのに
こんな事でずる休みをしてしまうなんて
会長達にもまた心配を掛けて
本当に僕は、駄目な奴だ・・・
「忍〜?」
一階からお母さんの声が聞こえるけど
また布団の中に身を隠してぎゅっと目をつむった
目を閉じると、また秋人君の顔が浮かぶ
最悪だ。
今までなら、目を閉じればすぐに先輩が浮かんだのに
「・・・なんで不良なんかの顔が」
また唇を噛んで、布団を握り締め
もう片方の手で携帯を開き秋人君のメールを再度確認する
「・・・・っ」
返事待ってる?・・・そんなの
僕が秋人君と付き合える訳ないじゃないか
「忍?ちょっと下りてきなさーい」
付き合ったら最後、本当に秋人君から逃げられなくなる
それに、もしもこの事が先輩の耳に入ったら・・・
「嫌だっ、そんなの・・・嫌だ」
不良と関わるとロクな事が無いのは分かり切ってる事だ
「・・・こ、断ろう」
そうだ丁重にお断りしよう。
断ってこれまでの付き合いもそこまでにしよう。
「こら忍!返事くらいしなさい」
そうだよ断ればいいじゃないか!
なんだそれで全て終わりになって
もう秋人君と関わる事も無くなるんだ!
ふふっ・・・もっと早く気付けば良かった
でも、どうやって断る?メール?
まぁメールなら会わずに済むし・・・
でも万が一、メールを見てなかったら・・・
「忍!」
「っぁあ〜もぉ〜うるさいなあ!!」
必死になって、どうやって断ろうかと考えていると
だんだん僕を呼ぶお母さんの声が大きくなってて
部屋の前で大声でそう呼ばれたから
お母さんに「そっとしておいて!」と一言言おうとして
「お母さん悪いけどしばらくは・・・」
僕は布団から出て、部屋の扉を開けた
「・・・・・ぁ」
だけどすぐに、扉を開けた事を後悔した
目の前には、お母さんじゃない人物がドーンっと立っていた
真っ黒い学ランに赤い髪・・・
その人物が誰かはっきりした時
僕の顔が一気に青ざめていく
「あら忍、起きてるじゃない!さっきから呼んでたのに!」
その背中から、ひょこっと顔を出したお母さんは
少しだけ怒った顔をしてたけど
やがてパッと明るく笑って、その人物に
“ごゆっくりどうぞ”なんて言葉を添えて一階へと戻ってしまった
そして突然の、こやつとの二人きり
「・・・・」
「・・・・・」
いや、待てよ・・・
「な、なんで・・・」
なんで秋人君が僕の家にっ!?
「わりぃ。いきなり来て」
わりぃじゃないよ!なんで来たのさ!!
「あっ、と、えぇ??」
まさか家に来るなんて思ってなかったよっ
しかもまだ昼前だよね!?
学校すっぽかして何してんの!?
「どど、ど、どどどうしてっ」
急に僕の悩みのタネが目の前に現れたから
また目がぐるぐる回って、おまけに上手く喋れない
「連絡無かったから。心配になって様子見に来た」
しなかったんだよ!!無視してたんだよ!
心配してもらわなくて結構だよ!!
なんだよ!なんでちょっと照れてんのさ!?
「とりあえず、入ってい?」
「ふぉっ!おっ!は、はいっ」
お、落ち着け・・・落ち着け・・・
大丈夫だ。ここは僕の家だ。僕の領域だ
下手にこの人も手出しは出来ないだろう
秋人君を部屋の中に入れて、(入れたくなかったけど)
とりあえず床に座ってもらい、
僕はなるべく秋人君から離れた場所に腰を下ろした
「忍の部屋、本ばっかだな。」
「・・・本・・・・好きだから」
「へぇー。俺文字読むの苦手だわ。漫画なら結構読むけどな」
「・・・・そ・・・ですか」
座って僕の部屋をぐるりと見渡した秋人君は
少しだけ楽しそうな感じだった
僕は微塵も楽しくないよ
「・・・・・・あ、秋人・・・君」
駄目だ。長居をさせてたまるか
さっさと断って、さっさと帰ってもらおう
「ん?」
そして、明日からはなんのお悩みもなく
ストレスも重圧も感じる事なく
平和な日々を・・・スタートさせるんだ
「ぼ、ぼぼぼぼ僕っ」
「・・・・・」
て、手が震えるし声も変だっ
「・・・・」
秋人君が見てるっ
物凄い目で見てるっ!!怖いよっ
「こ、ここ、告白の、事だけど」
正座をして、太ももに乗せた両手にきゅっと力を入れて
その言葉を言おうとした時、また目を強く閉じた
「ぼ、僕!秋人君とは!「忍」」
っ・・・・??
付き合えませんと、言おうとしたら
何故か僕の肩には秋人君の手が置かれていた
「大丈夫だ。」
「ふぇ?」
これまた何故かにこりと笑ってそう言った
「忍の言いたい事、分かってっから」
「えっ・・・」
言いたい事?・・・まさか
やっと僕の気持ちが伝わったのか??
やっと、分かってくれたのか!
「ほ、ほんと?」
「おう!」
や、やった!!(喜)
分かってくれた!!
怯える僕を見てようやく気付いてくれたんだ!!
なんだ、秋人君!物分りがいいじゃないか!!
「よ、良かった・・・」
自分で断らなくて済んだと、嬉しさで涙が出そうになった時
「これからよろしくな」
「はいっ!さよな・・・」
ら・・・・・・・・じゃない?・・・
「・・・・え」
いきなり、秋人君が変な事を言ったから
僕はバンザーイと両手を上げそうになったのを
少しずつ下に落とした
いや、バンザイなんてどうでもいい。
それより・・・
よ、よろしくな??
「な、何が?」
は?何が?何をよろしく?
「忍が俺の事避けてたのってさ、照れてただけなんだろ?」
はぁっ!?
「えっ!?はっ?な、なに?」
待て、どうなっている・・・
さっきまでの流れなら普通は僕に振られると取るはずだろ
雰囲気からしてそうだったよな?
僕ガチガチに怯えてたよね??
「照れるとか、可愛いな」
なぜこの馬鹿は嬉しそうな顔をしている!?
「て、照れてとかじゃなくてっ!」
とにかく、誤解を解かないと!
「いいよ。恥ずかしがってんのってさ
俺の事意識してるからだろ?」
なんでそうなる!違うよ!!
君の事は確かに別の意味で意識してたけど
断じてそんな意味で意識などしていない!
「ちょっ、秋人君僕は!」
「忍」
「っ!?」
ちゃんともう一回断ろうとしたら
秋人君はいきなり抱き締めてきた
「俺、忍の事、大事にするからさ」
「えっ?・・・ちょっ」
耳元で、また嬉しそうにそう言ってくる
必死に突き離そうとしたけど
抱き締めてくる力が強すぎてどうにもならなかった
「あ、秋人君っ、離れ・・・」
「あー、どうしよ」
「??」
また、ぎゅぅぅっと秋人君は腕に力を入れた
「俺、思ってた以上に忍の事好きだわ」
「・・・・・・・」
そして、横目で秋人君を見ると
「忍・・・好き」
「・・・・ぇ・・・あ、あの」
「ぜってえ大事にするから」
「・・・・・」
めちゃくちゃ嬉しそうな顔で笑ってた
「・・・・よ」
「ん?」
そんな顔されたら
「・・・よろしくお願いします(泣)」
今更断れないじゃないか・・・(泣)
「へへ、おう」
もういいよ。
どうせすぐ僕の事なんか飽きるだろうし
この不良が頭おかしいのは分かったよ
僕が秋人君から逃げられない事も分かったよ
もういいよ。変に抗うのはやめるよ
どうせ僕は無力なんだ
勢いと運に全てを任せるよ
「好きだ・・・忍」
「へ・・・へい(泣)」
こうして、僕はめでたく・・・・
彼氏が出来ました。(泣)
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