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心の変化
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家に着いたのは20時。
もちろん帰りも秋人君が家まで送ってくれた
外が酷く冷え込んでいたから
秋人君は風邪を引くといけないと言って
僕にマフラーを貸してくれた
おかげで帰りはそんなに寒いとも思わなくて
体はポカポカしてる。
「秋人君のにおい・・・」
部屋に着いて、マフラーを外そうとしたら
ふわりと優しい香りがした
「って!返すの忘れてた!!」
し、しまった・・・
マフラー返さなくちゃいけなかったのに
何においなんか嗅いでんのさ僕は・・・
秋人君、帰り絶対寒いよね
どうしよう。今から走って追いつくかな?
でもそれじゃまた秋人君は
僕を家まで送るって言うよね?
迷惑になる・・・よね
あ・・・そう言えば文化祭の日に借りた
漢Tシャツとスエットのズボンも
返してないままだ
知らないうちに、身の回りのものが
秋人君のものでいっぱいになってる
「お腹いっぱいだ・・・」
制服を脱いで部屋着に着替えると
僕はベッドにパタリと倒れた
お腹を摩ると、胃がパンパンに膨れ上がっている
こんなに食べたのも久しぶりだった
僕が食べたいと言ったポテトサラダが
大きなお皿に山盛り出て来て
最初はびっくりしたけど
食べたら本当に美味しくて止まらなくなって
気付いたら秋人君と二人で平らげていた
肉じゃがも、僕は大嫌いな人参を
はじめは避けて食べてたのに
秋人君に好き嫌いは駄目だぞって言われて
渋々食べたら、これまた美味しくて
人生で数える程しか食べてなかった人参を
もう一生分じゃないのかってくらいの勢いで食べた
いや、人参を食べれるのはおかしい
もしかしたら秋人君は
僕の味覚を操作する力があるのか?
だって僕のお母さんが作った料理に入ってる人参は
絶対食べれなかったのに・・・
魔法か何か使ってるとしか思えない
「・・・秋人君が作るから、僕は食べれるのかな」
・・・数日前の僕なら、秋人君を全否定してたのに
今は悔しい程君の事を認めてるよ
いいお母さんとしてね。お母さん。
好きとかそんなんじゃ・・・
【〜〜〜♪♪】
「ん?」
そんな事を考えていたら、僕の携帯が鳴った
開いてみると、メールが二通
「あ、秋人君!」
画面に秋人君の名前が表示されると
僕は体を勢い良く起こして携帯を覗き込んだ
「って何テンション上がってんの僕!」
自分の取った反応がすぐ恥ずかしくなって
僕は一度深呼吸をした
「たかがメールだ・・・」
メールが来たくらいでちょっと嬉しいとか
ぼ、僕らしくない。
「・・・べべ別に嬉しくなんか」
さて、なんて来てるのかな?と
僕はメールを開いた
“今日はありがと!また飯一緒に食べようぜ!
あと急で悪りぃけど、クリスマスの日空いてる?”
「お・・・」
お誘いキターーーーーー!!
「っ、」
“25日は無理ですが、24日なら空いてますよ”
僕は物凄いスピードで文を打ち
秋人君に返信した
【〜〜〜♪♪】
「!!」
するとすぐに返事が来た
“じゃあ24日!俺んちでクリスマスパーティーしようぜ!”
ふぉ!!!クリパに誘われた!
「・・・ん?」
だけど、メールの内容はまだ続いていた
“土屋と川下も呼んでさ!”
「・・・・・・」
その文を読むと、僕は携帯をポイっと布団の上に投げた
「ふっ」
何を舞い上がっているんだ忍よ。
秋人君と二人きりでクリパなんてノンノンだよ。
そうだよ。つっちーさんとカワちゃんさんも一緒なら
僕も行ってあげなくもない。
なんて思い、いつもの自分を取り戻そうとするが
すぐに肩の力が抜けた
「・・・・・はぁ」
二人きり・・・じゃないのか
いや、二人きりに期待してるとか
ありえないよ。ありえないけど・・・
ちょっと、残念だなって思ってしまった
「あ、そう言えばもう一通メール来てるんだ」
ふと、秋人君ともう一人
別の人からメールが来てた事に気付く
「・・・え」
そしてそのメールを開くと
僕は誘われたクリパの返事を
もう一度考え直さないといけないと思った
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