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知った時にはもう遅い
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「っ!」
「?・・・どうした?」
「いや・・・ちょっと頭痛が」
「風邪か?薬飲んで今日は早く寝ろよ」
俺の顔を覗き込んで
眼鏡は心配そうな顔をした
「お、おう」
薬飲んでって・・・
お前は飲まねぇじゃねえかよ
「また明日な」
そう言って眼鏡は繋いでいた手を離した
今日は二回目のデートだった
まぁ街のイルミネーションを
見に行くくらいだったけど
眼鏡とイルミネーションを見てる間も
俺はずっと会長との事を考えてた
こいつと二人で居る間もずっとあの事が頭から離れなくて
嘘付いて、日が経つにつれ
罪悪感だけがどんどん膨らんで行く
「・・・・」
「・・・・・・」
俺は、本当にこのままでいいのか?
「新」
「??」
駅の前で、ボケーとしてたら
眼鏡が急に顔を近付けてきた
「っ!やめろっ!」
キスをされそうになった時
会長の顔が浮かんで
俺は眼鏡を突き離してしまった
「・・・・どうしたんだよ」
「あっ・・・いや・・・」
「最近のお前変だぞ」
「べ、別に変じゃねえ!」
「・・・・・」
「・・・・・・」
これでもう何回目だろうか
眼鏡にキスされそうになったら
こうやって拒んでしまうようになってしまった
「あ、明日まで・・・お預けだ」
明日・・・明日はこいつの誕生日
「・・・はいはい。」
そう言うと、眼鏡は笑って
俺の頭を撫でてくれた
「明日、楽しみにしてる」
「・・・・か、覚悟しとけ」
「ん。じゃあな」
そして、俺の頭から手を離して
眼鏡は改札を通って行った
「・・・・・・」
あいつの背中が見えなくなると
俺は体の向きを変えてまた街に足を運んだ
「プレゼント・・・プレゼント」
正直、まだプレゼントが決まってない
と言うか買ってない
ピアスをプレゼントしてやろうと思ってたんだが
ピアスは一足先に眼鏡にプレゼントされてしまい
プレゼント候補からピアスは落とした
「あいつ他にアクセサリーとか付けんのか?」
頭をうぅ〜んと悩ませながら
とりあえず俺はジュエリーショップに入った
恋愛初心者の俺には
プレゼント=アクセサリーだからな
「うわっ、カップルばっか」
イヴという事もあって
店の中はカップルで埋め尽くされていた
「・・・・」
どのカップルも、まぁ当然だけど男と女
「これとかどう??❤︎」
「おっ、いいなそれ!」
ああやって、周りの目を気にせず
堂々と買い物とか出来んのって
結構羨ましいな・・・
「いらっしゃいませ」
「っとぉわ!」
「??」
いきなり、後ろから店員に声を掛けられ
俺はビクっとしてしまった
そんな俺を見て
この女店員さんはにこにこと笑った
「何かお探しでしょうか?」
「へ?・・・あ、ぁあとプレゼントを」
「あらぁ!彼女さんにですね!」
「えっ?」
「素敵です!ちょっと待ってて下さい!」
「や、あのっ・・・」
人の話なんか聞かず
どこかへピューと行ってしまった
「・・・彼女じゃねえし」
こうやって、堂々と言えない事も
結構悔しいんだよな
「お待たせしましたあ!」
早っ
「ちょっ、あのっ」
店員さんは物凄いスピードで戻ってきて
俺の前にアクセサリーを並べ始めた
ハートのネックレスや
星が連鎖したブレスレット・・・
女物のアクセサリーばかりだ
「こちらがこの冬限定の・・・」
にこにこ笑いながら
アクセサリーの説明を始める店員さん
相手は男ですって言えない事が
これまた歯がゆくて仕方ない
「ん?」
適当に説明を聞きながら店を見渡していると
別の場所にあったアクセサリーに俺は目が行った
透明なガラス越しにある
絡み合った二つのリングがついたネックレス
「それも可愛いですよね!」
「え、あ、はい」
覗き込んでいると、店員さんが
俺の横からヒョコっと顔を出してきた
「インターロッキングというネックレスですよ」
インターロッキング?
「“強く結ばれた愛”という意味が込められてるんです」
「へ?」
その言葉を聞くと、胸がトクンと鳴った
「強く・・・結ばれた」
な、なんだっ
最近の俺は結ぶとか、繋ぐとかいう言葉に
過剰に反応してしまう・・・
「こちらも在庫残りわずかですよ」
・・・ど、どどどどうしよう
これも女物だよな?
「これにします」 即決
「かしこまりましたっ❤︎」
「・・・・(汗)」
俺、マジ乙女だわ
「ありがとうございました❤︎」
「・・・ど、どうも(泣)」
結局、プレゼントは眼鏡に似合う似合わないじゃなく
強く結ばれた愛という言葉で即決してしまった(泣)
単純過ぎる・・・
「は、恥ずい・・・」
眼鏡がこのネックレスの意味知ってたらどうしよ
絶対にやにやしながら調子乗るよな
「そんなに俺と離れたくねぇの?」(眼鏡の声真似)
とか言いそうだし
「はぁ・・・」
けど、喜んでくれるといいな・・・
期待に胸を膨らませ
さぁ帰るか。と歩き出そうとした時だった
「えっ!まじかよ!」
「まじだって!」
目の前を二人の男が通りかかった
「氷崎さんまじで刺すとか言ってたからさ!」
!?
「怖えー!あの人なら本気でやりそうだな!」
・・・氷崎?
その名前を聞くと、背筋がゾクっとした
「氷崎?・・・な・・」
なんでお前らが氷崎を知ってる?
なんだ?刺すって・・・
「大崎・・・なんとか?
そいつも可哀想だよな〜!
菅原に関わったせいで人質にされてよ」
・・・大崎が人質?
「そのうち本当に氷崎さんは
人を殺しちまいそうだな!」
「ぎゃははっ!確かに!」
秋人、大崎・・・
なんでお前らがあいつらの名前を知ってる?
嫌な胸騒ぎがする
「おい、お前ら」
俺はこの男共に近付いて声を掛けた
「「あ?」」
「今、なんつった?」
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