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悪ふざけ
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親父から聞いた話は
昨夜、俺と新が行ってた街で起きた
未成年の不良集団による殺傷事件
被害に合ったのは俺の通う高校の生徒一名と
不良校で有名な鈴ヶ原の生徒三名の計四名
主犯だった男は、被害者のうちの一名を刺し
刺された男が瀕死の重傷を負った為、
殺人未遂の疑いがあるとまで事は大きくなった
被害者のうち一名が大崎だと聞いた瞬間驚いた
刺されたのは鈴ヶ原の生徒だと言われ
大崎じゃなかった事に少しホッとしたが・・・
もうひとつ、親父が最初に新の名前を出した事が
どうも気掛かりだった
なんでそこで新の名前が出る?と聞くと
その事件の現場に新が数人の不良を引き連れ
主犯であった男に相当な手傷を負わせたらしいと言われた
新がそんな事件の現場に居たと考えると身の毛がよだった
大崎の事も心配でたまらなかったから
俺は親父から大崎が運ばれた病院を聞き出し
すぐに家を出て病院へと向かった
きっと新は大崎と一緒に居る
二人は無事だと聞かされたけど
ちゃんと会って目で確かめたかった
「・・・新」
親父の言った通り、大崎は無事だった
だけど病室に入って来た新の顔を見ると
俺は新に対して何か違和感を感じた
新は俺を見た瞬間少し首を傾げた
いつもなら、眼鏡とか呼んで駆け寄ってくるのに
「渋谷君っ」
「・・・おう」
大崎に呼ばれた新は
俺を横目で見ながらベッドのある方へと足を進めた
「おい秋人、さっさ起きろよ」
俺に一言も声を掛けず
ベッドの上で眠る男に声を掛けると
それ以降俺の方を見ることは無かった
「新」
名前を呼ぶと、新はようやく俺の方を向いた
「俺に何か言う事ねえの?」
「は?」
返事をした新の顔を見ると
やっぱりいつもとは何かが違う
「散々心配掛けて、ごめんなさいの一言も無いのか」
「・・・・」
「・・・・・」
やがて新の目の前まで足を進めると
俺を見上げまた新は首を傾げた
「おいあら「誰だ?」」
「・・・・・・・」
「・・・・」
「・・・・・・は?」
何?・・・今なんて言った?
「し、渋谷君!」
「なんだよ!腕引っ張るな!」
「先輩だよ!先輩!」
「はぁ?また例の先輩の話か?
俺に先輩は居ねえって言ってんだろ!」
・・・・・・・・。
「はぁ・・・」
なるほど。まあ新にしちゃ
よく出来たサプライズだな
「おい、お前・・「新」」
「っ!?」
何かを言い掛けた新の腕を引いて
よくもこんなふざけたサプライズをしてくれたな。と
抱き締めて笑ってやろうと思った時だった
「な!?っにしやがるてめえっ!!」
「っ、!」
抱き締め切る前に、俺は新に頬を殴られた
口の中が切れて血の味がする
「渋谷君!!」
「大崎!誰だよこいつ!」
「・・・・」
どんだけお前は演技が上手いんだよ
全力過ぎだろ。まじで俺を殴るとか
お前からのプレゼントは拳かよ
「・・・・はっ」
ほんと・・・いい加減にしろよ
「この俺を殴るとはね・・・」
「ああ?」
そんなサプライズは要らねえんだよ
「新、帰るぞ」
「てめえさっきから何言ってんだよ」
どこまでも俺にお仕置きされてぇのかよ
「帰るぞ」
「っ!触るな!!」
「・・・・・・」
腕を掴んで連れて帰ろうとした瞬間
新は俺の手を払い鋭い目つきで睨んで来た
「気安く俺に触るな」
「・・・・」
だからさ・・・・
「つか、てめえ誰だって聞いてんだろが」
「・・・・・」
そんな悪ふざけは要らないんだよ
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