アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
一緒に作ろ
-
黒胡椒って・・・こめ、米に黒胡椒って(笑)
「くくくっ・・」
「て、てめぇっ!何が可笑しいんだよ!」
真剣な顔で米に黒胡椒を入れたと言ったから
それを聞いた数秒後に笑いがこみ上げてきた
「分量分かんなかったんだよ!」
「ぶふっ・・・くくっ」
ぶ、分量の問題じゃえねえよ(笑)
塩はまぁまだ分かるけど、いや普通入れねえけど・・・
流石に黒胡椒は無いだろww
「へ、へぇ・・分量な。分量(笑)」
米に黒胡椒入れてる新の姿を想像したら
可愛いくてまた笑いが込み上げる
「くくっ・・・」
「いつまで笑ってんだよ!」
「や、なんかつい(笑)」
入れなくていいんだよって言ってやりたいけど
顔を真っ赤にして怒ってる新を見ると
もう少しこのままにしておこうと思った
「っ米とか炊いた事ねぇんだから仕方ないだろ」
暫く笑っていたら
急に新は本気で落ち込んだ顔をした
「炊き方とか・・教えてもらってねえし」
「・・・・」
肩を下げる新を見て
俺は椅子から立ち上がって新の頭を撫でた
「ごめん」
「・・・??」
そうだよな。
俺の為に一生懸命作ってくれたんだよな
笑うことじゃねえよな
「お前が初めて作ってくれた飯、食べてもいい?」
「・・・駄目だっ、絶対美味しくない」
「美味しいとかは二の次だろ。
お前が作ってくれたものを俺は食べたい」
「・・・・っ・・だ、駄目だ」
「・・・」
新は頑なにそう言って
手に持ったお茶碗と皿を背中に回し隠した
「これはもう食べられねえ」
「食べれるよ」
「食べられねえ!」
「・・・・新「だから」」
「??」
下を向いた新はぐっと息を飲み
何故か睨みながら俺を見上げてきた
「い、一緒に・・・食べれる物・・作ってやる」
「・・・・・」
「お前、料理出来んだろ・・・見ててやるから作れ」
睨んでるんじゃなくてただ照れてんのか・・・
怒った顔してんのに顔も耳も真っ赤
「作れ。って、一緒に作んないのか?」
「今日は監視役だ。次からは俺が作ってやる」
そう言うと新は胸の前で腕を組んだ
顔真っ赤なのに強気な顔
素直に作り方教えてって言えばいいのに
「・・・ふっ、そっか」
まぁ、そういうところがお前らしくて良いけど
「じゃ、目玉焼き作るからちゃんと見てろよ」
「おう」
そして一から朝ごはんを作り直す事になった
「米は炊き直すと時間かかるし、パンでいい?」
「いい」
新の返事を聞き、俺はトースターに食パンを二枚入れた
焼き上がるまでに目玉焼きも出来るだろう。
そう思い俺は冷蔵庫を開けた
「ん?」
だけど冷蔵庫を開けると
卵があと一つしか残ってない
「・・・・・」
残された一つの卵を取り出しパタンと冷蔵庫を閉じると
流し台を見た時、卵の殻が沢山あったのを思い出した
「一つか。」
とりあえずパンも焼いてるし
手際良く俺はたった一つの卵を
目玉焼きにする過程を料理をしながら教えた
教えるといっても、
火加減とか焼き具合とかそれくらいだけど
それだけでも新は目をキラキラさせて
フライパンの中を覗き込んで来た
単純な一つ一つの動作に
新はおぉ〜っと声を上げる
「でな。白身と黄身がだんだん固まって来ただろ?」
新の反応が面白かったから
少し応用を兼ねて教えてみる
「ここで火力強めて、ちょっとだけ水入れるんだよ」
「水!?」
「まぁ見てろって」
「??」
ソワソワし始めた新の前で
俺は卵の周りに少しだけ水を加えた
「で、蓋するんだよ」
「蓋?なんで?」
「こうすっと中で卵が蒸されんの。
見た目も白くて綺麗になるぞ」
「・・・白い」
「あ・・」 やべ・・・
白いと言ったら新は自分が作った
黒い目玉焼きを見てまた落ち込んだ
「ほら、ちゃんと見てろ」
落ち込んだ新の頭を撫でてこちらを向かせ
蓋を取ると水が蒸発してる音と共に
白い煙がフライパンからふわっと放たれた
「おお〜っ、すげえ!
黄身までなんか白いのコーティングされてる!」
コーティング・・・
まぁ、言葉は間違ってないからいいか
「はい。出来上がり。あとは盛り付け」
目玉焼きが焼きあがると
同時にトースターからもパンが焼き上がった音が聞こえた
「すげえ!白い目玉焼きすげえ!!」
「騒ぐな。ほら椅子に座ってろ」
ただの目玉焼きにはしゃぐ新を見ると
ふっと笑みが零れる
目玉焼きは一つ、もちろん新に食べさせてやるつもりだ
「新?」
「ん?なんだよ」
なのに何でお前は
「それ、どうすんの?」
笑顔で包丁持ってんの?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
266 / 617