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何回だって
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「ぁ、ああああきひとくんっ」
ちょ、ちょちょちょちょっと待って!
「いま、いま今のってっ」
「・・・ん?」
慌てて口を手で覆う僕を見て秋人君は首を傾げた
一気に体の熱がボボボッと上がって
秋人君が言った様に、止まらなかった涙が一瞬にして止まった
いやっ、というよりさっきのってキスだよね!?
「き、キキキキスっ」
「・・・なに?・・もっかいする?」
「ふぁっ!?」
ちょっと待ってっ!
秋人君っちょっと待って!
「秋人君っま、待ってっ」
「俺とすんの・・・いや?」
「いっ・・」
嫌じゃないです!嫌ではないのですがですねっ
ぼ、僕達は仮にも今はお友達という形ですな訳ですしっ
それに病院でこ、こんな事はっ
「うぁぁ・・・」
ぁぁああ、頭が混乱してる・・・っ
あっ。で、でも僕は秋人君が好きで・・・
好きだからキスしてもい、いいのかな?
「忍・・・好き」
「っ!」
ぐるぐる目を回しながらそう考えていたら
また頬に手を添えられ、秋人君の顔が近付いてくる
僕はぎゅっと目を閉じて秋人君に身を任せた
心臓がドキドキ言ってる
体中熱くて顔から火が出そうになる
「っ・・・秋人君・・・」
少し目を開けてみると、秋人君の唇が見えた
そして、何故か変に色気がある今の秋人君の顔・・・
こんなに秋人君ってかっこよかったっけ?って思って
また心臓がドキドキした
「忍・・・」
「・・・っ、・・」
そして、秋人君の吐息が僕の顔に掛かった瞬間
「(おいっ押すなって!)」
「(ちょ、新さん手退けて下さいっス!)」
「(・・・)」
何やら病室の入り口からそんな声が聞こえ
そのあとすぐにガラッと扉が開き、バタバタと床に倒れ込む音がした
「「「 あっ 」」」
「・・・・・・」
視線を入り口の方へとやると
渋谷君の上につっちー、つっちーの上にカワちゃんと
三人がピラミッドのように重なって
倒れ込んだまま、僕達の方を見てきた
僕はすかさず秋人君の上から降りて
僕を見上げる三人にまた視線を落とした
「わ、悪りい大崎っ!別に覗くつもりなんてなかったんだっ
あれだっ!土屋達がだなっ!」
「なに言ってるんスか新さん!『ちょっとこのまま様子見ようぜ』
って言ったのは新さんじゃないっスか!ねっ?カワちゃん!」
「・・・・(頷く)」
三人はぎゃあぎゃあと騒ぎ出して
つっちーとカワちゃんは渋谷君にまた頭を叩かれてた
「・・・・・(汗)」
いやでも、危なかった・・・
危うくキスしてるところを見られるとこだった
いや一回目は見られてたのか??
二回目のキスが寸止めで済んでホッとしてるのか
残念だと思ったのかよく分からないけど
とりあえず僕は肩の力を抜いた
「おっ、そういや秋人起きたんだな」
「う、うん・・・」
渋谷君がそう言って、僕は秋人君を見た
「秋人君」
「・・・・・・」
「??」
あれ、返事が無い?
「あ、秋人君?」
慌てて秋人君の肩を揺すってみると
「・・・zzZZZ」
「え」
秋人君は気持ち良さそうに目を閉じて眠っていた
「あ?なんだよまた寝たのかよ」
「・・・・・」
渋谷君が秋人君の顔を覗き込んで
頬をぺちぺちと叩いている
「ま、すぐにまた起きるだろ」
「秋人さん絶対二度寝するっスもね〜」
「よく寝ぼけるしな」
え、待って・・・二度寝?寝ぼける?
「じゃ、じゃあ・・・」
さっきのキスも、寝ぼけてしたって事?
「なぁなぁ大崎!りんご食べていい?」
「あっ!オレも欲しいっス!」
「!!」
どんよりと気分が沈む中で、
三人がりんごを見つけてまたはしゃいでる
「はぁ・・・」
ため息が出たけど、秋人君はちゃんと目を覚ましてくれた
「いいよ。りんごあげようと思ってたし」
「よっしゃあ!」
「あざっス!」
「(喜)」
また眠ってしまっても、また起きてくれるならそれでいいよ。
二度寝でも、何度寝でもしていいよ。
「秋人君」
目を覚ました時、僕が何回だって
おはようって言ってあげるからね
「僕も好きだよ」
渋谷君達には聞こえない声で
秋人君に向かってそう呟いた
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