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気になる
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忍と付き合えるようになって数日が経った。
俺は絶賛幸せ満喫中だ。
昨日だって忍の名前呼んだだけで顔真っ赤にして、プルプル震えながら「何?秋人君…」って!
もうな、その声がまた震えてて超可愛かったんだよ‼︎
緊張してんのかずっと目キョドってたし、恥ずかしいのか知らねえけど「もっとこっち来いよ」って俺が言ったら「滅相もございません!」って何か変な喋り方で返されたし
チワワみてぇに縮こまって病室の端でモジモジしててだな!
頭の中で忍に犬の耳と尻尾が見えたんだ。
もう耳垂らして尻尾丸めてガチガチ震えてたんだよ!
可愛かった!
拾って下さいと言わんばかりの顔でちらちらこっち見てくるんだよ!
一言で言うなら超絶可愛い‼︎
抱き締めたくなって忍の方に近付いたら盛大に逃げられたんだ‼︎
なんだ…照れてんのか可愛い奴め
なんて思って更にキュンキュンしてたんだ………
「…………………」いや……待て……
「それ、避けられてるだけじゃねえか」
「⁉︎」
新が言った言葉が雷となって俺の脳天を貫いた
「……り、リピートアフターミー……」
「避けられてる」
「…………」
もう一度聞き直すと、また新の言葉が脳天を貫いた
「じゃぁ……最近忍の様子が変だったのって…」
「お前を避けてたんだよ」
「三回も同じ事言うなよ!」
目からダーーっと滝のように涙が出た
そんな俺を見て新はにやにやしてる。
シーツを強く掴んで最近の忍の行動をもう一度思い出してみた。
確かに、最近の忍は何か変だ……可愛い…可愛いけど俺を避けてる‼︎
「な、なんでだ?」
「知らねえよ。大崎に聞けよ」
「………」
俺、何か悪い事したのか?
まさか、付き合うってなったその日に流れでベロチューしたのが嫌だったとか?
「新ぁ〜っ!頼む助けてくれ!俺分かんねえ!」
「わっ!やめろしがみつくな服伸びる!」
ゴチンっと新に頭を殴られた。
「……俺…嫌われたのか?」
「本人に聞いてみろって…」
「…………」
……聞いてみろ…か……
そうだよな……やっぱ聞かねえと分かんねえよな
明日、忍が来てくれたら聞いてみよう……
「つか、お前これなんだよ」
はぁ…っと溜息をついて、俺は新が手に持っている物を指差してそう聞いた
「はあ?見て分かんねえのかよ千羽鶴だよ」
「………」
新はドドーーーンと手に持っていた糸で繋がれ連鎖している折り紙の束を俺に見せて来た。
だが、これは断じて鶴ではない。そして数も千羽無い。十羽鶴だ……
「お前、あんま人の言う事信用すんなよ…」
「は?なんでだよ」
流石に俺の一言で本当に折って来るとは思わなかった。
「クオリティという言葉を知らないのかお前は」
「十個作るだけで大変だったんだぞ‼︎千羽なんて折り紙買う金ねえよ‼︎」
「…………」
新が折った鶴は、ただのクシャクシャになった折り紙みてえだ。
でも、一生懸命作ったんだろうな…
「ま。貰っといてやるよ」
「上から目線だな。腹立つ」
不機嫌になった新から見舞い品の十羽鶴を受け取る。
こいつも最近何かあったらしく、元気無さそうだったけど今日を見る限りは大丈夫そうだ
「秋人、相談くらいには乗ってやるから大崎との事、途中で放り出すんじゃねえぞ」
「放り出すわけねえだろ。お前こそ何かあったら俺に言って来いよ」
最近の新は、少し大人っぽくなったと思う……
それにダチ同士で恋愛話が出来んのって結構嬉しかったりする。
「お前の彼氏さんも今度連れて来てくれよ」
「なっ‼︎連れて来るわけねえだろ‼︎」
俺が言った言葉に顔を真っ赤にする新は、ちょっと可愛かった。
いや忍には負けるけどな
「じゃ、俺もう行くから」
「おう。来てくれてさんきゅーな」
真っ赤になった顔のまま、病室を出て行く新の背中を見送る
扉がピシャリと閉められると、ベッドに背中を倒し窓の外を見つめた
「新の彼氏ねぇ〜」
忍の事も、もちろん気になる。
でも新と付き合ってるのはどんな奴なのか…気になってたりする。
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