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やっぱり気になる
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扉が開いて、びっくりして携帯を閉じてしまった。
少し開いた扉からこっちを見てるのは、真っ黒い髪に、真っ黒い目に眼鏡を掛け異常に顔の整った男。
落ち着いた雰囲気を漂わせながら病室の中に入ってきたこいつは、病室の中をキョロキョロと見渡しながら、「なんだ。ここじゃねえのか」と呟いた。
「……?」
誰を探してんだ?
そう思っていたら、何故か頭に新の顔が浮かんだ。
「眼鏡……」
「ん?」
眼鏡……いや待て。眼鏡?
「お、お前もしかして新に喧嘩で勝ったって奴か⁉︎」
突然、以前新が話していた眼鏡の男の事を思い出し、目の前のこの男をビシッと指差した
「喧嘩?」
「そうだろ⁉︎あいつが言ってたぞ‼︎お前に負けて脅されて奴隷のような扱いを受けてるってな‼︎」
いや。それは言われてない。
でも絶対そうだろ
あいつ繋がりで眼鏡の人間なんてそうは居ない。
土屋や川下の知り合いにもこんな奴は居ない。
もちろん俺は初対面だ。
なのに誰かを探してる様な行動を見せるこいつはイコール、新を使いっ走りにする為にあいつを探しにここに来た‼︎
「奴隷のように?……本当にあいつがそう言ってたのか?」
いや。言ってない。
「はっ、そうだよ……てめえ、あいつに一回勝ったくらいであんま調子に乗んなよ。てめえがあいつに勝ったのなんてまぐれだかんな。新を奴隷扱いなんざこの俺が許さねえぞ」
「…………」
そう喧嘩を売った。
俺はベッドから足を降ろしてこの男の方へと近付いた。
けど体がいつもより何倍も重い。
ずっと寝てたからすっかり筋肉落ちちまって今喧嘩したら負けるかもしれねえ
忍の為にもう喧嘩はしないと誓ったが今回は別だ。
あいつを負かした奴を俺が負かしてやる
「お前、起き上がって大丈夫なのか?」
はっ……馬鹿が。
人の事心配してる素振りを見せ油断させて俺に一撃を食らわせようって魂胆か
表情一つ変えないこいつは、さっきから両手をズボンのポケットの中に突っ込んだままで警戒の一つも見せて来ない
「………」
「…………」
だが、ものすごい威圧だ
睨み合うだけで冷や汗掻くなんていつ振りだろうか
「…………くっ」
ギロリと真っ直ぐに目が向けられ、足がすくんだ。
張り詰めた空気の中、次第に俺の中で別の感情が生まれ出した
俺は一度も新に勝った事がない。
あいつだって、誰にも負けた事が無かった
「……てめえ」
「………?」
こいつが……初めて新に勝った男…
あの新に、勝った男………
「ど、どうやってあいつに勝った?」
くそ気になる
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