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知らないよ。
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きっと僕は大馬鹿者なんだと思う。
散々日野の事を嫌っていたのにこうして触れる事を許してしまった。
冷たい床の熱が背中に広がる。
彼の指が肌に触れると背筋がゾっとして目を閉じてしまった。
「いっちゃん、目開けてや。」
「………」
目を開ければ日野が居る。
他人に触れられた事もない場所まで触れられてしまう。
「……服、脱がしてもえい?」
「そういう事いちいち聞かないでよね…」
肩からゆっくりとシャツが下される。
胸に手が置かれ、指で肌を撫でられ、日野の唇が近付いて来る。
「……っ…‼︎」
いつから、僕は大馬鹿者になったんだろうか。
「あれ…気持ちよくない?」
「…いいから……続けて…」
体は思いの外彼の与えてくる熱に反応はしなかった。
唇で乳首を吸い上げられ、舌先で首筋を往復されても何ともなかった。
「ん〜。なんでやろうなぁ。普通ここさ、こうしたら気持ち良くなると思うがやけど…」
眉を歪めた日野は、両手で僕の乳首を抓り上げた。
「………」
いくら触られても、本当に何も感じなかった。
日野はそんな僕の反応が面白くないのか、僕の体をペタペタと触り始め口先を尖らせた。
「…気持ちいい訳ないでしょ…」
これが答えだ。
触れられても何とも無いというのは結局はそういう事なんだ。
僕は触れられたいんじゃない。触れたい。
触れて、僕の与える熱で相手を満たしてあげたい。
戸惑うその顔にキスをして、優しく抱き締めて愛してあげたい。
………愛してあげたかった。
「いっちゃん?」
「………………」
顔を覆った腕から日野を覗くと、彼は僕の名前を呼んだ。
今何を考えてた?と聞かれ、目を見開いてしまう。
「……なんでもない…」
誤魔化してまた顔を腕で覆った。
絶えず体には日野の手が伸びてくる。
「……っ、…」
何を考えてた…。……考えていたのは新の事。
「ひ、の……」
いつまでも、いつまでも僕の頭の中にあり続ける彼の顔。
いくら忘れ去ろうとしても無くならない彼への思い。
「日野……、っ日野……」
「ん?どうした?」
浮かぶ彼の名前を掻き消すかのように、何度も日野の名を呼んだ。
「早く…するならして…」
腕を伸ばし、日野の襟元を掴んでこちらに引き寄せる。
落ちてくる日野の唇を受け入れ、無我夢中でキスを繰り返した。
「ふっ……ん、…っ…」
「いっちゃ……ン…」
唇が離れ、日野の手が下へと伸びる。
性器に触れられた瞬間、少しビクリとしたが、やはりその後は何ともならなかった。
「大丈夫…気持ち良くしちゃるき」
日野が耳元で囁き、舌が耳の奥まで入って来た
「…っ、あ…」
「?」
「‼︎」
鼓膜の側でちゅる、と音がした瞬間、変な声を出してしまった。
目の前の日野は少し驚いた顔をしているが、僕自身が一番驚いている。
急に体の熱が上がり始め顔が火照る。
口を咄嗟に抑えたが、出てしまったものは日野のやる気をあげるのには十分だったようだ。
「もしかして、耳弱い?」
「…っ……知らないよ。」
「ええ〜?んじゃもっかい」
「ちょっ…」
今度はカプっと耳を甘噛みされる。
容赦なく舌が侵入して耳の中を隅々まで舐められる。
「うっ……ぁ…」
また、変な声が口から零れる。
「はは…可愛い声…」
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