アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
お久しぶりです。
-
はいみなさん。
そろそろ忘れる頃だったでしょう。
お久しぶりです。
ええ、僕は大崎忍ですよ。
忘れないで下さい。最近出番が無かったからって僕の事忘れないで下さい‼︎
……なんで出番が無かったかなんてそんなの決まってますよ。
僕だけ勉強会に呼ばれて無かった‼︎
「……っあんまりじゃないか…」
いや、その勉強会が日野先輩の為のものだってのは知ってたけど、渋谷君に上城先輩に会長。
そこまで生徒会のメンバーが揃っていたのに何故僕だけ呼ばれなかった⁉︎
そう。僕はその件で随分と落ち込んでたんだ。
だって、仲間外れにされたみたいじゃないか。
みんなそんなつもりは無かったんだろうけど……僕だって生徒会の一員なんだ。
いくら苦手な日野先輩の為の勉強会だって分かってても、僕だってその輪の中に入りたかったよ。
「忍〜、オレンジジュースでいい?」
「あ……う、うん……」
カチャリと扉が開き、秋人君がオレンジジュースが入ったコップを持って部屋へと入って来た。
「採点終わった?」
「お、終わったよ‼︎」
机を挟んで目の前に座る秋人君に、採点をし終えた回答用紙を渡す。
「うは、すっげ……ペケばっかだな…」
「でも昨日に比べたらよく出来てるよ?」
「昨日なあ〜。昨日は全問不正解だったからなあ〜。」
「あ……ご、ごめん…」
「はは、なんで忍が謝るんだよ。」
「…………」
くしゃりと頭に手が置かれ、わしゃわしゃと撫でられる。
「じゃ、もっかい最初から解くな?」
「うん。」
さて、話を少し戻そう。
数日前、僕は自分だけ勉強会に参加出来てない事を秋人についポロリと言ってしまった。
そしたら、秋人君が「なら俺と勉強会しようぜ。」って言ってくれて……
「悪い、ここ分かんねえから教えてくれ。」
「うん。そこはね……」
学校で渋谷君達が勉強会をしてる間、僕は秋人君の家で秋人君と勉強会をしていた。
お互いテストが近づいていたし、秋人君は何よりこれまで赤点無しだった事が無いと言って、今回はどうしても赤点を取りたくないと、異常な程熱心に勉強に取り組んでくれる。
ほとんど僕が教える形となってはいるけど、僕の教え方間違ってないか不安になる。
「ふあーーっ‼︎難しい‼︎」
秋人君はこんなに勉強を真面目にした事が無いのか、数分置きにこうして大きな声を荒げ背伸びをする。
難しい。難しい。って頭を抱えて眉間にシワを寄せているけど、絶対僕の前で「もう嫌だ。」とか、「勉強飽きた。」とか弱音は一切吐かなかった。
本当は、この勉強会すぐ飽きるんじゃないだろうかって思ってたけど……
「秋人君、少し休憩する?」
「ん?や、大丈夫。頑張る頑張る。」
秋人君は、シャーペンを机に置くこと無く、僕に笑顔を向けてまた目の前の問題集に目を落とす。
「赤点無しだったら忍からご褒美貰えるしな。」
「〜〜〜ッ」
シャイニングなスマイルでトドメを刺され、顔がボンっと熱くなった。
「ぜってー赤点なんか取らねえぞ‼︎」
ふん、とガッツポーズを決めた秋人君は、「さあやるぞ‼︎」と言って問題を解き始める。
「………っ」
ギリっと強く赤ペンを握り締めてしまう。
………何故こんなにも秋人君が勉強に対して熱心なのか。
もちろん赤点を取りたくないという気持ちは大いにあると思う。
でも、多分……いや恐らく……。
秋人君は勉強会初日に、「今回のテストで赤点無しだったら俺になんかご褒美頂戴?」と言ってきた。
そして、僕は「いいよ。」と首を縦に振った。
「…………」
黙々と問題を解く秋人君の目はキラキラしてる。
「…………っ」
ど、どうしよう……いいよ。なんて言っちゃったけど……ご褒美だなんて……
「忍?」
「ふぁい‼︎」
「???」
「〜〜ッ‼︎」
一体何をご褒美としてあげればいいんだ⁉︎
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
447 / 617