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《BOUSへ…》11
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アキラの髪や頬に両手で触れながら…静かに顔を近づけてくる。
アキラは早めに瞳を閉じてナギを待つ…
そっと、唇が触れ合い唇を吸うようにナギが何度かくちづけてくる…
そして、口角から滑るように口腔内にナギの舌が侵入してくる。
「…ん、っ」
アキラの唇を覆うように情熱的なキスを続けるナギ…
小さく声が漏れるアキラ…
(さすが…ナンパなナギセンパイ、熱烈なキスだ…)
アキラがそんな感想を抱いていると…
ナギの右手がアキラの服の裾から侵入し…胸元へ触れてくる…
「ッ!ん、ちょっと、ナギセンパイ!」
アキラは驚いて、ナギの唇から逃れ声をだす…
「っ約束守らないと口きかなくなりますよ!」
怒っていうアキラ。
「チッ…いけると思ったんだけどな…」
残念そうに囁いてアキラから素直に離れるナギ…
「ふぅ、返してください…」
髪ゴムを返してもらおうと手を差しだす。
「ハイハイ…頑固者!」
ナギは自分の髪を結んでいたゴムをアキラに手渡しながら、付け足しに僻んでみる。
「どうも、じゃ…ナギセンパイ」
髪をくくりあげて、ほっとしながらナギにバイバイして…先を急ごうとするアキラ。
「…次の撮影はいつ?」
軽く声をかけるナギ…
「…次は来年…でも、正月は休みますよ…じゃ、よいお年を…」
次と言っても、最後の撮影になるのだけど…
アキラは軽く挨拶して、ナギに背をむけ歩きだす。
「サクヤ、次は相手してくれるよな…」
ナギは約束づけするようにもう一度声をかける。
「タイミングがよかったらね…」
アキラは顔だけむけて答えて去っていく…
「チ、いい返事はなかなか返ってこないな…」
遠回しに断るアキラをみて苦笑いしながら振り返るナギ…
「アレ?…ケンジが居ない」
ようやくケンジがいなくなった事に気付くナギ、間抜けに呟いてしまう。
「ふぅ」
アキラはつねに周囲を気にしながら、誰にも見つからないように個室へと辿り着く…。
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