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《4人の関係》19
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そして…
あとの2人は、あまり広くもない脱衣場へ賑やかにおしゃべりをしながらやってくる。
「ルードはさぁ、アイツら付き合ってるって知った時どー思った?俺はショックを受けたぜマジ」
ヨシは着ている服を雑に脱ぎながらまたルードに話かける。
「まぁね、俺も腹立ったし…」
頷きながらルードも服を脱ぐ…
「え?なんで?」
「色々と…、ここのタオル使ってもいいのかな?」
置いてあるタオルを手に取ってヨシに一枚渡しながら聞く…
「いいだろ、持ってきてないし、サンキュー」
ヨシは素早く全部服を脱いでタオルを腰に巻く…
ヨシは最後に左手首の青色リストバンドを外しながらルードを見ていう。
「いつ見てもお前の身体は目が覚めるなぁ…」
ルードの身体には義母からの虐待の傷が古傷として刻まれている。
「はは、汚いだろ、でもカラダ大きくなったからか、傷跡だいぶ薄くなったんだぜ、皮膚が伸びたのかな?…この火傷はやっぱアトに残りそうだけどな」
軽く笑って、左肩から腕かけて残るやけどのあとに触れながらいう。
「痛かっただろ?このヤケド…」
ヨシが何気なく聞く…
「うーん、それが、わからないんだよな…」
ルードは首を傾げて答える。
「分からないって?」
「うん、覚えてないんだ…義母さんにやられたのは確かなんだけど、いくら思いだそうとしてもダメなんだよな、やけどしてた期間だけ記憶が抜けてるっていうか…気付いたら火傷の跡があったってカンジで…」
ルードもタオルを腰に巻いて浴室の方に入っていく…
「そっか…」
「ヨシはそんなことってある?」
「俺?俺はねーと思うけど…」
「やっぱ俺、頭の中、どっかおかしいのかな?背中にも大きい傷あるだろ、それもいつ怪我したのか覚えてないし、アキラに教えてもらうまで怪我してること自体知らなかったんだぜ、変なの、自分のことなのに…」
確かにルードの背中には刀で切られたような傷跡が肩ぐちからナナメに大きくついていた。
「…きっとな、それは自己防衛本能で忘れてんだよ。だから無理に思い出さなくてもいいし、別に頭おかしいわけじゃねーだろ、そうゆうの」
ヨシなりに結論づけて答える。
「そっか…ヨシはコレやった時の事…覚えてるんだ」
ルードはフト振り返って、ヨシの左手をとっていう。
「…あぁ、自分でやったからな、これは…」
頷いて自分の左手首を見るヨシ。
「俺、自分のは、覚えてないから他人事みたいだけど、そっちの傷はみてるだけで痛いって思う…」
ルードは簡単に身体を洗ってお湯につかりながら実感を込めていう。
「はは、確かになぁ…」
ヨシは、はじめに髪を洗いながらルードの言葉に頷く…
「それってカッターとかカミソリとかで切った傷跡じゃないよな?」
ヨシの手首に残る普通じゃないリストカットのアトを不思議に思ってなにげに聞く…
「おう、コレはハサミでやったからなー」
「ハサミッ!?考えただけでイタイな」
「あ、普通の紙切りハサミじゃねーよ、農具用の剪定とかに使う先の尖った小さいハサミ、知らねーだろうなルードとか…」
「せんてい?」
ルードは首を傾げる。
「枝とか余分な葉を切ったりするのに使うハサミのこと」
髪を流して今度は身体を洗っているヨシ…
ちゃんとルードに答えている。
「へぇ、そうなんだ…」
ルードが頷いてヨシの話に耳を傾ける。
「よくさ、アイツら、俺を納屋へ閉じこめてたんだよ」
「なや?」
「そ、農具とか置いてる小さい小屋のこと、夏でも閉じこめたら3日、4日出してもらえなくてさ、暑いし暗いし…メシは食えねーし、水は貯め水があったから脱水で死ぬことはなかったけど…今思い出しても地獄だな。…まぁ冬は冬でツライけど…」
顔を歪めて思い出すように話すヨシ。
「…うん、俺もよく閉じこめられたりしてたけど、すげーヤだよなー」
共感して頷くルード…それで話しやすくなったのかヨシは昔のコトをルードに教えていく…
「前にも言ったけどコレやったのは丁度小5の夏休みん時かな、納屋に閉じこめられて一週間くらい、何も食ってなくて…起き上がるのもやっとな感じで、もう出してもらえずこのまま死ぬんだとか思ってたな…んでちょうどいい所に剪定バサミが落ちてて…」
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