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《カウントダウン》8
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アキラがひとり考えあぐねていると…
不意に部屋の戸が開く…
(みずき!?)
はっとしてアキラは重い頭を上げる。
「どうした?アキラ…」
はた、と瞳が合っていつものように優しく聞くみずき…
「な、どうしたじゃねーよ、なんで…」
「…?熱が高そうだったから、体温計を取りに行ってたんだ…」
なぜか怒っているようなアキラを見て、取り敢えず説明するみずき。
「いつも、置いてある場所になくてな…アキラ、熱測ろう…」
黙っているアキラに続けて言って、ベッドサイドに座るみずき…
「それならそうと言って行けよなっ!バカ…」
さっき自分が考えていた事を思い出すと恥かしくなる。
ついついみずきに八つ当りなアキラ。
「……、言ってなかったか?」
首を軽く傾げ、困ったように聞くみずき…
「全然!」
ムスっと答えるアキラ…
「…すまない、アキラの体調の事を考えていたから…言って行ったと思っていた…ごめん」
「……」
素直に謝るみずきに、それ以上怒れないアキラ。
「…熱が高かったなら、氷枕をつくるから、測ろう」
みずきは優しく言い…体温計を取り出す。
「……」
アキラが黙ったまま動かないので…
「…ちょっと、すまない」
黒色のパジャマの衿ボタンをひとつ外して…体温計をワキに入れようとする。
しかし、顔を伏せていたアキラが突然みずきの肩に抱きついてくる。
「!?アキラっ」
驚くみずきだが…
「…わ!」
手に思うように力が入らず…
ずるッとアキラの手が滑り落ちそうになる。
「アキラ!」
みずきは、咄嗟にアキラの背中を支えてそれを止める。
「…どうしたんだ?アキラ」
アキラの行動が理解できなくて、そっと聞いてみるみずき…
「……、いて…」
ぼそっと小声で抱きついたままいうアキラ…
「え…?」
小さく聞き返す。
「…ここに居て…!」
オレが寝るまで…!
アキラにしては、かなりプライドを折ったお願いだったので、ややツンとした口調になってしまう。
「……えっ!」
思わぬ言葉にみずきは、アキラの顔を覗いて、もう一度問ってしまう。
「も、いい…」
何回も言うかよっ…と、紅い顔をさらに紅くフテさせ、そっぽむくアキラ…
「…アキラ」
そんなアキラの言動が愛しくて…
俺に居てほしいと言ってくれた…
それだけで嬉しい気持ちになるみずき。
少し考えて言葉をかける。
「俺は、そのつもりだったけれど…?」
ちゃんと、傍にいるつもりだったよと…
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