アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《困惑の終撮》3
-
「待ってるよ、1人で家に居たところでつまらない…向かいの店にでもいるから…」
みずきはアキラに近づきそう伝える。
「…もぅ、勝手にしろよ」
なんだか決めてしまっているみずき…
何を言っても来そうなみずきを見て、ツンとした顔で頷くアキラ…
「あぁ、ようやく終撮…」
この撮影が終わってしまえば、アキラを…自分だけで独占できる。
アキラの頬に触れ…伺うように囁くみずき…
「ようやくって…そんなにヤだった?」
アキラはからかうように聞く…
「当たり前だ…他の奴には触らせたくない、いつだって…」
アキラの手をひいて自分の胸へ抱き寄せる。
「困った奴だな…」
そう呟きアキラはみずきの胸に頭を預け…静かに思う。
みずきに想われて過ごす日々…
毎日、人の温かさを感じることができる…
とても幸せなことだけど、漠然とつきまとう不安感…。
自分がどれだけみずきを必要としているのか…
必要としてしまっているのか…
離れてみないと分からない…。
みずきの事を本気で好きになれないから…
みずきと一緒にいることが、当たり前にならないように…しないといけない…
ここは寄り道の場所に過ぎないから…。
毎日、こんなにも優しくされているのに…
みずきを信じる事ができなくて…
つらい…
最近は…早く離れることばかり考えているような気がする…。
それは将来のこと…
不安に思っている証拠…
分からない事ばかりで…何が大切なことなのか見失いかけているから…。
自分の将来のこと…
みずきの将来のこと…
みずきに迷惑をかけてまで一緒にいるべきなのか…
そう考えると、今一緒に暮らしていることが、いいことじゃないのは確かなのだから…
「困った奴…?どうして?」
アキラの呟きを拾ってみずきは聞いてみる。
「ん?…みずきは、オレを甘やかせすぎだから…困った奴」
「…そんなことはないと思うけど…」
そうみずきは首をかしげる…
「自覚ナシ、重症!」
みずきの額を軽く小突いて、微笑み離れるアキラ…
心に思うことも伝える時期を引き伸ばして…
ホント甘えてる…
「アキラ…」
「さ、メシ食べようぜ…」
そう微笑んでみずきを呼ぶ。
そんなアキラの心の内を知る由もなく…
すたすた歩いてキッチンに向かうアキラに頷いて、いつものように優しく手伝うみずきだった。
《困惑の終撮》終
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
81 / 137