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《終了撮影》2
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「ふぅ…」
やっぱり、すぐには帰れそうにないな…
アキラは溜息をついてミーティングルームへ急ぐ…。
「おはようございます…」
挨拶して部屋に入るアキラ。
「おはよー、はい、台本。終撮だから、ちょっと長めの話しになるよ…最後だからって気を抜かないようにね」
待っていた撮影助手が、台本を渡しながら声をかけてくる。
「…はい、お願いします…あの、カズキは?」
今日の撮影相手が見当たらないので聞いてみる…
「あぁ、カズちゃんなら、だいぶ前に来て…奥で台本読んでるよ」
「そうですか…」
頷いて向かおうとするアキラに助手は…
「あ、なんかカズちゃん、珍しいことに無口だったな、機嫌悪かったのかな?」
撮影助手は首を傾げて言う。
「え…、そっか…」
カズキには辞めること、全然伝えてなかったから…
いきなり終撮の相手に指名されて戸惑ってるよな。
そう思いつつ、奥の控室へ入っていく…
「…おはよ」
座って台本に集中していたカズキに…静かに声をかける。
「……、ホントなんスね…サクヤ先輩が、終了撮影って…」
やってきたアキラを目にしてポツリと言葉を出すカズキ…
「あぁ…うん」
短く頷くアキラ。
「…今、色んな意味で、裏切られたような…そんな気分っス…」
「…まぁ、この前ン時、撮影は当分先って言ったもんな…オレ」
しんみり言うカズキを見てそう答える。
「…本当の本当に、この撮影が最後なんスか?…もうBOUSには来ないんスか?」
アキラを見つめ問う…
「…うん、もう来ないよ」
アキラはその瞳に押されつつも答える。
するとカズキは…
「辞めないでください…サクヤ先輩がいなくなるなんて嫌です」
ストレートに引きとめてくる…
「…カズキ」
アキラは困って顔をしかめる…
この状況で言われても…無理なことだから…
「…いいっス、忘れてください…馬鹿な事…言ってます…俺」
その表情を見て、アキラを困らせてしまったと…カズキは言葉を打ち消す。
「…カズキ」
「すみません…なんか、色々ショックで…テンション低くて、台本見たら…サクヤ先輩を、殺すシーンとかあるし…」
台本を開いてそう伝えてくる。
「終撮だからな…嫌な役やらせて悪いな…」
アキラはカズキの近くに座り、そう謝る。
「いえ、そんな…先輩の最後の撮影にかかわれるなんて光栄っす…けど、こんな内容…うまく出来るか不安で…」
表情を曇らせるカズキ…
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