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《本番》2
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「これでもか…?」
囁くようにいい、さらにサクヤのそれを促す…
「や…ァ、っん…」
びくんと身体を震わせるサクヤだったが…
「ストップや!目線ッ2カメにおくらなあかんやろ!アップくるで、サクちゃんッ」
大事なカメラ目線を忘れていたらしく、一時中断…
「…はぁ、ッスミマセン…」
呼吸が上がって息をついて謝るサクヤ…
そしてパートナーにも…
「ゴメン…」
短く謝る。
「いえ、いいっすよ…」
カズキは役柄と本人とのギャップがかなりあるが、何度となく中断されても、完璧にこなしている。
「覚えてるんだけど…」
流れについていけない…
ぽつりと呟く…。
「はい!034、カズちゃんから、スタート!」
そこへ監督の声…
すぐ演技に入る…
「…これでもか?」
さっと表情を変え、サクヤを押さえ付けたまま、そこへ触れていく…
「や…ァッ、っん…」
目線をわすれないよう演技するサクヤ…
カズキが与える快感に流されそうになる頭を必死で保ち…次の行動を頭に描く…
「嬉しいんだろ?言えよ」
カズキは反応を返すサクヤのそれを手のナカに収めたまま聞く…
「んんっ…ちが…う、嫌ッ…ァ痛っ、ぅ…」
サクヤの拒否を許さないように手の中のソレを強く握る。
「…アァッ放し…て、や、ふッ…ぅ、んッ」
声を上げる唇を無理矢理ディープキスで塞ぐカズキ…
深く口づけをしたあと…カズキはゆっくり唇を離し、サクヤを見つめる。
「はぁ…っ、はぁッ…」
呼吸が上がり息をつくように、言葉なくカズキを睨むサクヤ…
「俺のものになれ、サクヤ…」
乱暴な言葉使いを抑え…
囁くようにいうカズキ…
「お前が抵抗しなければ…痛めつけなくてもすむ…」
そう続ける。
「…っ、嘘だ…オレは、あんたじゃ…嫌なんだッ…暴力を振るわない彼が…セイヤが好きな…、ぅ痛ッ」
サクヤは顔を横に振りカズキを拒否…
第三者の名を聞いたとたん、カズキの平手が言葉を遮る。
「黙れッ!!」
悲しく怒りの言葉が響く…
「はーい、OKやで、サクちゃん、準備。これからは、とくにNGにきーつけなあかんで!」
監督が準備のため、一時、撮影を止める。
そしてもう一度カツをいれる。
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