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《本番》8
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「はい!」
頷き、見届けてから自分も身体を洗う為、となりの個室へ消えるカズキ…
「あの…先輩?」
シャワーを浴びながら、すぐ声をかける。
「んー?」
「聞いてもいいっスか?」
続けて聞くカズキ…
「…駄目」
カズキの言葉に、からかうようにお断りするアキラ…
「えっ?」
断られるとは思わなかったので…言葉に詰まったカズキに…
「嘘だよ、ナニ?」
くすくす笑って聞く…
「もう。サクヤ先輩、俺のコトどう思ってますか?」
軽く溜息をついてカズキは静かに聞いてみる…
「…うーん、後輩」
少し考えるふりしてそう答えるアキラ…
「そうじゃなくて…」
そりゃ後輩だけど…大きな溜息と苦笑いのカズキ。
「はは、嘘だよ…お前のコト?まぁ可愛いし、嫌いじゃないよ…」
微妙な答えのアキラ…
「…可愛い?」
どう考えても先輩の方が可愛いのに…
「そう…、なんかオレ、やっぱ年下に弱いなのかな…」
そう呟くアキラの言葉を聞いて…
「えッ…先輩の恋人って年下なんスか?」
それなら自分にもチャンスが…と思って聞くカズキ。
「ううん、年上」
アキラの答えに…
「えー?なんすか、それは…」
「はは…こういう奴なんだよオレは…」
シャワーを止めながら笑って言うアキラ。
添えつけのタオルで髪と身体をさっと拭き、持ってきていた服を着て…シャワー個室から出る。
「…先輩?」
「お前はすぐ帰るんだろ?帰る前に個室6号に寄って、約束のアド教えるから…」
アキラはまだ出て来ないカズキに言い…
カズキを置いて行く…
「あ、待ってくださいよ!」
慌てて支度して追いかけるカズキ…
先に行って廊下を歩いているアキラに追い付く…
「あれ?ゆっくりしてればいいのに…」
少し驚いた感じに見返すアキラを見て…
「そんな…サクヤ先輩…」
ガクっと肩を落とすカズキ、それを横目で見て、薄く笑って…
「…勝手だろ?オレって…」
アキラは呟く…
「…えっ?」
歩きながら聞き返す。
「…たぶん、オレなんか相手にしてたら疲れるだけだぜ…」
前を向いて歩きながらそう伝える。
「…先輩でもそういう風に言うことあるんですね…」
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