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第5voice. はじめてのアフレコ(7)
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翌日、ちょうど昼休みに入ったところで蜜樹さんから電話がかかってきた。
本来ならば学校に持ってきてはいけない、携帯電話。
ボクは人目を避けるように屋上へと続く階段の踊場へと向かい、そこでやっと通話ボタンを押した。
蜜樹さんからの電話の内容は『その回のアフレコはまだ先だから、ゆっくり準備しておいて。アフレコの日付決まったら、また連絡するね。あ、でもレッスンはちゃんと受けるように!』とのこと。
まだ日があるなら、と油断してはいけない。
そう自分に言い聞かせて、ケータイのスケジュール帳を開く。
今日は夕方からレッスンだった。
「どうだ? 少しはレッスンも慣れたか」
「え、あ、はい。そうですね」
いつもと同じレッスンを終えて帰り支度をしていると、紅先生に話しかけられた。
「あ、そういえば聞いたぞー? 暦がとってきたアフレコの仕事が、まさかの女の子役だったんだってな。災難だなァ、おまえも」
「はい、そうですね……。でも、蜜樹さんも何度も謝っていましたし、毎日家で練習しているうちに出来そうな気にもなりましたから」
「そっか。ま、がんばれよ!」
ぐしゃぐしゃと頭を撫でて、紅先生はレッスン室を出て行った。
それと入れ替わりに、音無さんがレッスン室へとやってきた。
そのまま真っ直ぐ、ボクのほうへと近づいてくる。
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