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act.1-5
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「一枚だけでいいんですか?
これ全部使ってもらっていいんですよ?」
なんかもうちょっとこの人と話したくて、俺は更に会話を続けた。
「大丈夫…。それに全部貰っちゃお前の分がなくなるだろ?」
「あ、それは大丈夫です!これ、駅前で貰ったやつなんですけど、ふたつ貰ったんで!!」
俺はポケットに入っていたもうひとつのティッシュを取り出してみせた。
「なんでふたつも貰ってんの?」
「いや、分かんないすけど…ハハ(苦笑)……俺、こういうティッシュとか断れないたちで…」
「…フッ(笑)」
あ。
先輩が笑った。
小さくて、静かにだけど、確かに笑った。
それが俺はなぜか無償に嬉しくて、一気に体温が上昇した。
ついさっきまで強風で寒くて、今日の服装を後悔していたのに……、不思議だ。
熱い…。
何でちょっとこの人が笑っただけで、俺赤面してんだよ。
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