アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
act.3-4
-
俺は4年生が座っている方を見た。
司会者の話なんて耳に入らないほど、先輩の姿を探した。
「…………い、いない…。」
嘘だ!絶対居る。居るに決まってる。
「ん?どうした?」
もう一度先輩を探す。
祈るような思いで探していたと思う。
「……やっぱりいない…………。」
「なに、誰か探してんの?」
「秀。この発表会って4年生全員参加だよね?」
「いや、全員じゃねーだろ。
優秀論文に選ばれた4年生だけだから、個人7人。3グループで、だいたい1グループ6人だから……25人じゃね?」
「……にじゅうごにん…………。」
「こんないろんな学部がある大学で4年生なんて何百人いると思ってんだよ。全員参加してたら、この一番広い講義室でも溢れちまうよ。確か全員参加なのは一年生だけだったと思うぜ。」
なんだって…?
「てか羽純、教授が発表会の説明してたとき、個人とグループ合わせて10コの論文が発表されるって言ってたの、聞いてなかったのかよ」
「確かに……。」
そんなようなこと言ってた気がする…。
「ふーん。さっきから探してる人って4年生なんだ?」
「…………。」
「そうなんだな。」
「う……、まぁ。」
「羽純、お前。
その人のこと好きなの?」
え……?
俺って先輩のこと、好きなの?
会いたい、とは思うけど……
これって好きってことなわけ?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 177