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act.Ⅱ-3 お前は知らないだろうけど
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先程までハードルをしていた第2運動場には、もう誰もいなくなっていた。
「なんだ、いねーのか。」
何となくもう一度さっきの奴を見たかったけど、いねーんならしょうがない。
帰ろ。
「あれ?玉城じゃないか?」
え?
ゲ…、ゴリラ。
「郷(ゴウ)先生。お久しぶりです。」
彼は体育教師の郷先生。
通称ゴリラ。
相変わらずガングロでゴリマッチョだな。
「おぉ、懐かしいな!元気だったか?」
「元気です。先生もお元気そうで。」
俺は高校3年間ずっと体育委員だった。
全部じゃんけんで負けて、渋々やってたのはゴリラには秘密だ。
3年間ずっとこんな面倒な体育委員をやる物好きは俺しかいなかったため、ゴリラは俺をすごく気に入ってくれていた。
「2年の玉城、お前の弟なんだってな!体育委員に指名してやったぞ!」
指名って……。圭介、ゴリラに無理矢理体育委員にさせられたのか…。かわいそうに。
「あいつ俺より全然使えない奴なんで、お願いしますね。」
ゴリラに捕まり、世間話をしていると、生徒2人が近付いてきた。
「郷ちゃん!」
「どうした?」
「ライン引き終わりました!あとは間崎がハードル片付けるだけ!」
「分かった。ご苦労さん。」
ゴリラ、今の生徒にはちゃん付けされてんのか…。
「これから体育器具庫に行くんだが、玉城も来ないか?」
え?なに言ってんの?
何で俺も行かなきゃいけねーんだよ。
断ろうとゴリラを見たが、期待するようなキラキラした瞳で俺を見つめていたため、断れなかった。
「は、はぁ。じゃあ。」
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