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act.10-5
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「俺も昨日の先輩の話聞いてて、先輩がその人のことすごく好きなの伝わりましたよ。」
羨ましいくらい伝わった。
俺だったらいいのに…。
どうしたら、先輩は俺を見てくれるの?
「そうか…。……でも、そいつにも好きな奴がいるんだよ。」
「え…。」
「しかも、本気で好きらしいから、結構厄介。」
「それって、本人が言ってたんですか?」
「あぁ…、忘れたくても忘れられなかったって言ってたかな。でも、俺は諦めねーし、絶対振り向かせるつもり。」
先輩の瞳が真っ直ぐ俺を見つめている。
俺に言ってくれたんじゃないかと、勘違いしちゃいそうだ。
本当にそうだったら、どんなに嬉しいことか…。
「…そうなんですか。」
でも……、その想いも瞳も、俺に向けられたものじゃないから。
痛い。
苦しい。
涙が出そうだ。
泣いたってなんの意味もないのに……。
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